かちかち山
このところ毎晩息子は寝る前に、福音館の『日本の昔話』の中からひとつ選んで私に読んでもらっている。昨晩選んだのは、有名な「かちかち山」だった。かちかち山といえば、私が小さいとき聞いた昔話のうちのひとつ。親からではなく、絵本についていたレコードで聞き覚えた話というところがちょっと悲しいのだが、そうだったのだから仕方ない。今もまんがチックな挿絵のぺらぺらの昔話絵本があるけれども、そんな感じだった記憶がある。
今私たちが読んでいる福音館の昔話の方は、大変すばらしい本だ。季節にごとに日本各地の昔話を集めたもので全5冊。あの有名な世界の小澤の兄で学者の小澤俊夫さん(オザケンパパ)が、方言を標準語に書き直しているから読みやすい。挿絵は『スーホの白い馬』でおなじみの赤羽末吉。
それにしても、本物のかちかち山にはびっくりだった。畑で悪さをした狸をつかまえた爺様が家にいる婆様にそれを持って帰って、今晩は狸汁にしてくれと頼む。そしてまた爺様が出かけているすきに、狸はうまいことを言って婆様に縄をといてもらい、婆様が餅をつくのを手伝うふりをして婆様を杵で打ち殺してしまうのだ。しかも、婆様に化けて狸汁をつくったと偽り実は婆様汁をつくって帰ってきた爺様に食べさせる。そして爺様がいぶかりながらその汁を全部食べたところで狸の姿に戻り、爺様を絶望させるというくだりが前半。後半はその顛末を耳にしたウサギによる、おなじみの敵討ちの話である。
グリム童話なども実は残酷で、背景などを読み解く本もあるほどだけど、日本の昔話もなかなかである。私はおばけが嫌いだからぞっとする映画や話に普段は縁がないけれど、この日本の昔話にはいろんなぞっとする話が出てくるから興味深い。
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コメント
ののかさん、こんばんわ。お子さんに日本の昔話を読み聞かせなさっていらっしゃるのですね。そういう時期って、わが家にもありました。日本の昔話の次は、グリムの童話でした。
残酷ですよね・・・。日本の昔話もかなり残酷なものがあって、福音館の絵本で『やまなしもぎ』や『うまかたやまんば』などですが、好んで読んでほしいと言われた時期がありました。
小澤俊夫さんのグリム関係の本を数冊読みましたが、あの小澤征二さんのお兄さんなのですか・・・。知りませんでした。
投稿: まざあぐうす | 2005/07/12 22:41
まざあぐうすさん、コメント嬉しいです。昔話は本当に面白いですね。私もいずれグリム童話のほうへ行ってみたいです。自分も楽しみだし。
小澤ファミリーはすごいですね。最近は義経に、小澤征爾のご長男が木曽義仲で出てましたもんね。俊夫さんの上にもうひとりお兄さんがいらしたんですよ。弟さんは昔ライオンのCMだったかしら、奥様番組でなさってましたよね。お母様の小澤さくらさんの『北京の青い空』、私は愛読書です。小澤ファミリーをつくった家族の歴史が載っております。母強し!です。
投稿: ののか | 2005/07/13 06:48