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2005年8月

2005/08/31

びっくり

今日の昼休み、新しい職場で同僚になった方とランチを食べていた。まだ親しいわけではないので、当たり障りの無い会話が続く。

「ところでののかさん、今度選挙あるけど、○○の○○ってどう思う?」(おっ、一歩突っ込んだ話題だな。)と私は思う。素直にこう答える。

「あ~そうですね、今日駅前で演説していた人の党ですね、ん~どうですかね?ちょっとどうかなあ。」(と私は曖昧ながらも否定的な答え)

「あら~。嫌い?あれ、私のいとこなの!!!!!」

びっくり

あとは、しどろもどろに言い訳する自分がいた。まさかあんな大物と親戚とは!!!

選挙のときは、気を抜かず、当たり障りの無い会話に徹すべし!!

私はうっかり、大事な教訓を忘れてしまったのだった。

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2005/08/30

ホットケーキ

IMG_0001

中二の甥が夏休みが今日で終わりだというのに、家庭科の調理実習の宿題がまだだと言うので、急に私の家で宿題をすることになった。何でもいいので、何か料理をして写真に撮れということらしい。彼らの母親は私の妹、妹はフルタイムで働いているので、忙しく、面倒がみられないとのこと。甥たちはそんなわけで、どちらかが必ずうちで夕飯を食べる。うちの子達と仲がいいので、我が家は毎晩、賑やかなのだ。そういうことなら、今晩のおかずを作ってもらおうと思ったら、甥はどうしてもホットケーキがいいと言う。彼はアレルギーがあるので、卵は控えたほうがよい。

早速私が仕事から戻る4時半から調理開始となる。弟の小六のほうもついてくる。中二の甥は小六の弟に、何か条件をつけてホットケーキミックスと牛乳を買ってこさせたらしい。私の妹は、私と違って滅多に手伝いをさせないらしく、二人とも手つきがぎこちない。粉と牛乳を混ぜるだけで、大喜び。電磁調理台にフライパンをのせ、温めて油を入れるだけでも興奮するらしい。綺麗に丸くケーキだねを入れたいのに、なかなかうまくいかない。でも、なんとか二人で3枚のホットケーキが焼けた。

肝心の出来上がりのときに腹痛を起こした中二はトイレにこもる。仕方ないので、私が自分の趣味で絵本と一緒にホットケーキの皿を撮影する。見栄えがいいようにフルーツをのせた。バターは溶けてないほうがいいと思ったのに、溶けてるほうがおいしそうだといって、小六がべたべたに溶かしてしまう。

ということで、こういうできあがり。あとは二人はひたすら食べるだけ。お陰で私がピアノのレッスンに娘を連れて行く前に大忙しで、すっかりくたびれてしまった。写真を見て甥いわく、「俺、この絵本のところだけ切りとる…」~ごめんね、おばさんの好みで撮影しちゃってさ。

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2005/08/28

映画バトン

ミントさんから、映画バトンをいただいた。映画通なわけではないけど、好きな分野なのでじっくり考える。難しいなあ。

①所有している映画の本数。

これは、20本ほど。子どものためにと言いながら、自分のために買ったもの(スタジオジブリばかり)と、友人が海外で安く手に入れてプレゼントしてくれたもの(イ・ビョンホン主演もの)がほとんど。大抵はレンタルしています。

②最後に買ったDVD。

買ったこと、無いです。

③最後に観た映画。

「Dear フランキー」…気に入って2回も見てしまった。

④よく観る、または特別は思い入れのある映画を5本。

「存在の耐えられない軽さ」…育児で疲れ切った私が、また映画に目覚めたきっかけになった作品です。なんともいえないんですけど、ダニエル・デイ・ルイスとジュリエット・ビノシュが最後に階段を上がっていくシーンが美しくて。好きです。

「ことの終わり」…単なる不倫ものかと思いきや、中身の濃さと主演のジュリアン・ムーアの美しさに心奪われました。願いとか祈りとか、そういうテーマがあると思います。神がおこしてくれた奇跡が、私の心を救ってくれました。

「悲情城市」

ホウ・シャオシェン監督(台湾)の作品は、この1990年ころ全て見尽くしましたけど、この作品はスケールが大きく、完成度が高く、音楽がすばらしく(S・E・N・S)、もう何度も観にいきました!!

「ニュー・シネマ・パラダイス」

もう、音楽を聴いただけでだめです。感動が甦ります。劇場公開版だけで十分涙でしたけど、完全版を見てさらに感動しました。大好きです。

「Wの悲劇」

薬師丸ひろ子が好きなんです。主題歌がユーミンのものだったし、サントラは久石譲。思い出があったりして。内緒ですけど。

⑤バトンを次にまわす5人。

コメントいただけたら、順にお渡ししたいと思います。

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胡麻

発掘あるある大辞典で先週若返りの秘密に「胡麻」をとりあげた。胡麻を効率よく摂取すると、若返り、肝機能が元に戻り、体脂肪が減ると言う。

その時間には普段テレビを見ない子どもたちが、先週の日曜に限ってそれを見て、ママに胡麻を食べさせようということになった。

早速煎りゴマを作らされる。200℃に熱した鍋で5秒煎る。5つ弾けたらもう終わり。それをすり鉢で丁寧にする。それを毎日合計大匙1~2杯摂取すると、3週間で効果が表れるそうだ。

今日で一週間目。因みに今日は、昼そうめんを食べたとき、たっぷりつけ汁に胡麻を入れてみた。さて、愛情と皮肉たっぷりの子どもたちの努力が実るかどうか、私は結果が楽しみである。

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2005/08/27

綿の花

watanohana 綿の花が咲きましたが、残念なことに、台風で落ちてしまいました。

後ろに映っているのがつぼみです。またいくつか咲いて、やがて綿が出来るかと思い、今から楽しみです。

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2005/08/26

読書感想文

夏休みももう終わり。息子は今日、作文を書いていた。この間の旅行のことを、楽しそうにのびのびと。うらやましいな。私は、宿題で文章を書くのが、好きではなかった。特に、読書感想文。反抗的な生徒だったのだろうか?どうしてあんなに嫌いだったのだろう。いまだに理由は思い当たらない。読書感想文が夏休みの宿題に出ると、それだけで夏休みが嫌になるくらい、嫌だった。ついでに、国語の授業もいつも馬鹿にしていた。なんでこんなこと勉強しなきゃならないの?って。

でも、本は好きだったのである。好きな本は、特に三浦綾子の作品。『道ありき』、『氷点』。もともと宗教には興味があったので、若き日に吸い寄せられた。それから、数年前にとてもよい本だなあと思ったのは、三浦哲郎の『母の微笑』。最近読み漁ったのは、『死ぬ瞬間』を書いたエリザベス・キュープラー・ロスの一連の著作と、『ライフ・レッスン』。数は少ないけど、お気に入りの本の一部である。

どうやらブログのように、書きたいときに書きたいように書く。それが私のライフスタイルに合っているんだろうな、と思ったりしている。          (終)

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2005/08/25

「アタックNo.1」

娘がすごい雷雨の日に、テレビ主題歌を沢山聴いて覚えてきた。私が雷雨でお迎えが遅くなったので、娘は大分待たされたのだ。「ねえ、お兄ちゃん知ってる?マジレンジャーって2番まであるんだよ。」「あのね仮面ライダーってね…」などと、仲良く家に帰って兄とおしゃべりする娘。こうしてはいられない、早くご飯を作らなきゃ、と焦っていると、今度は私に質問する娘。

「ママ、アタックNo.1って知ってる?」

何~っ、知ってるも何も、あなたの年頃ママが夢中だったアニメだよ、と応える。すると今度は♪苦しくったって~悲しくったって~コートの中では平気なの…と歌いだす。これにはびっくり。

そう、鮎川こずえの声をしていたのは、童謡歌手の小鳩くるみ。かわいい声で、話題だった。確かあの主題歌も歌っていたのではなかったかしら。違ったかな?テレビ朝日で「エースを狙え」のドラマが流行ったので、今度は「アタックNo.1」が同じ上戸彩主演で、この間までやっていたのだ。それできっと、この主題歌が流れたんだな、と大体想像がついた。

そういえば、小鳩くるみで思い出した。先日NHKを見ていたら、小鳩さんがマザーグースについて語っていた。「小鳩くるみ」という芸名も、多分本名であろう「鷲津名津江」と変わっていた。

私が夢中になった「アタックNo.1」。それから30年以上たって、今度は娘がその歌をうたい、小鳩くるみは立派な大学教授となる。時の流れを感じる出来事であった。

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風景

電車の窓から、送電線の鉄塔が、緑の丘の上にそびえたっているのが見えた。その足元には、百日紅のピンクの花。なんだか不釣合いだけど絵になっていて、俳句に詠んでみたのだけど、良いのか悪いのかもわからない。もうちょっと、教養があったらいいのに。残念だなあ。

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2005/08/23

貝殻

IMG_0024 私の大好きな川崎洋さんの詩で綴る、福音館 こどものともの絵本『なみをバケツにくんだらば』の詩を口ずさみながら、波で遊び貝を拾う子どもたち。

一生忘れない思い出になってくれそうです。

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2005/08/22

あ~夏休み

旅行もあり、二週間夏休みをとっていたのだが、明日から仕事である。失敗したあとだけに、顔を出すのは勇気が要る。だけど、そこは仕事。気を引き締めていかなくては。

息子の方は、自由制作とか作文とか、まだやりのこした宿題がいくつか。泊りがけであさっても旅行に行く彼は、まだ夏休みが終わった後の空しさを感じる年齢ではないのかな。あまりあせったふうでもない。私は今から、なんとも言えず感傷的になってるんだけど。

私のお気に入りの♪なつやすみのおさかな(田ノ岡三郎作詞作曲)の中の子どものように、私は、みんなの待つ教室には抜け殻だけおいて、いつまでもお魚になって海を泳いでいたい心境。あ~夏休み。いつまでも!

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2005/08/21

おばぁに会った

4泊5日の旅から戻った。旅先はお日様笑顔のCちゃんの故郷。そこは、南の島。何よりも美しい海。青い空。のんびりとしたサトウキビ畑。陽射しは厳しいが、風は優しい。

私たちはCちゃんのお兄さんの案内で、人気の無い海岸で遊ぶことができ、釣り船をチャーターして魚を釣り、本物のニモを見ながらのんびりと釣った魚を食べることが出来た。感謝である。

運転は私。島を走る車は少ない。ペーパーを返上したばかりの私でさえ、名ドライバーである。自信がついた。

最終日、Cちゃんの実家を訪ね、お母様に会う。果物や島の名産品でもてなされ、温かい笑顔、楽しいお話(珊瑚礁で貝を獲った話はサイコー)、感動する話(家族愛!)で心がいっぱいになる。

帰り際、子どもたちと握手しながら、お母様はこう言った。「これでおばぁと友だちだよ。」そう言ってくださって、私は嬉しかった。何度も何度も手を振ってから、お別れした。

車に乗ってから子どもたちが「ママの言ったこと本当だね。Cちゃんはいつも、親切を何倍にもして返してくれるけど、お母さんもそうだったね。」と言う。そうなのだ。あの母にしてこの子ありなのであった。

温かい南風に吹かれながら、幸福な時よいつまでも、と願った。またいつか来たい。いや、いつか来る。そう思わせる、癒しの島の旅だった。

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2005/08/14

癒しの島へ

癒しの島へ行ってきます。

家族4人で、綺麗な海と、青い空、のんびりとした風にふかれて命の洗濯をしてこようと思います。

ということで、ブログはしばし、お休みいたします。

無事に帰りましたら、21日から再開します。皆様どうぞ、お元気で!

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2005/08/13

くわばら、くわばら

今日は家から少し離れたところにある老人ホームに入っている父をお見舞いに行った。息子と娘が一緒だから、何時間も一人で老人の話を聞き相手をしても、なんとか間が持った。子どもたちには感謝している。ところで私は父に対して、なんというかちょっと複雑な気持ちがあり、会えてよかった!とあちらは久々で大喜びしているのだが、こちらは、はあそうですか、というような少し冷めたところがあるのが正直なところである。

父は体が不自由になったので今その施設に居るわけだが、本当は元の家に戻りたい。母にあれこれ世話をしてもらいながら、のんびり家で過ごしたいのである。しかし、母だって年だし自分も元気なわけではないから、それは無理な話。父はそれでも、あきらめがつかない。今日はそういう愚痴を沢山聞かされた。もちろん同情する事態である。どんなに今、施設の人たちに親切にされても、父にとっては他人と家族は違うのである。

しかし私ら子どもにしてみれば、他人のほうがずっとまし、ということもある。他人なら、どんなに愚痴を聞かされても同情できる。しかし、父から聞かされると、じゃあなんであのとき、あれほど言ったのに煙草やめなかったの?お酒毎日飲んでいたくせに、とか、お水をあれほど散歩中飲みなさいといったでしょ、予兆があったときになんで救急車を呼ばせてくれなかったの?というように、倒れた父に自業自得だと言わんばかりの残酷な気持ちを抱いてしまうのである。いけないなあ、と罪悪感を持ちながら。

今日も帰ってから、雷が突然やってきた。心底怖くて飛び上がってしまった。くわばら、くわばら。自分の身に危険がふりかからぬように、蚊帳の中で昔の人は唱えたのである。くわばら、くわばら。他人事ではありません。私だっていずれ年老いる。くわばら、くわばら。くわばら、くわばら。

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昨晩、暑かったので雨戸を閉めないまま子どもたちを寝かしつけていると、二人して、光った光ったという。何々?と夜の曇り空を見上げると、確かに閃光が時折よぎる。「これなあに?」「何でぴかぴかしているの?」音は何もしないのである。そうだね、きっと遠くの遠くのほうで、雷が落ちてるのね。そして子どもたちはそのうちに、それぞれ眠りについた。そして私は、そろそろ雨戸を閉めなくちゃ、と起き上がる。と、雨音が聞こえてきた。こっちにもやって来たのかしら、急がなくては。

それからの稲妻と雷の凄かったこと。昔の人は地震・雷・火事・おやじと言ったが、私は昨晩、その意味がよくわかった。あの音は、すさまじい。怖い怖い。子どもたちは寝入りばななので、何も気づかずよく寝ている。起きていたらどんなに怖がったことか。

一年前旅先で突然の雷雨に見舞われ、ホテルの窓から通りを小一時間眺めたのを思い出した。あの時は、頑丈なホテルにいたので恐怖は無く、臨場感はあるものの気象ショーとしてテレビでも眺めているような気分だった。光った。1・2・3…と数を数える。音がした。雷、段々近づいてくるね、といつものようにわくわくしていた。ところが、ここは小さな一軒家である。雷が落ちるかもしれない恐怖。

目覚めると、昨日の雷雨は嘘のように穏やかな蝉の鳴く夏の朝。雷雲は、またどこかへ行っちゃったんだなあ。大人になってから、あんなに怖かったのは、久しぶり。子どもに戻って雷の音に震え上がった、夏の夜であった。

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2005/08/12

上野の森で

今日は上野の国立科学博物館へ、「縄文VS弥生」を見に行ってきた。科学的に二つの時代の人骨や遺跡や遺物を比べてみるといった内容で、子どもたちには面白い企画。

私は考古学をやっていたので、といっても、サークルでだから、本当の専門ではないのだが、縄文土器や銅鐸などなど、好きなものばかり飾ってあって楽しかった。子どもたちはレプリカ(復元)の土器片やスクレイパー(石器)づくり、縄文土器の模様付けなど、体験コーナーが面白かった様子。一緒に行った友人のうちの子どもは、縄文人と弥生人の人骨を測って比べるコーナーが気に入った様子。

その友人は、普段は海外で暮らすのだが、夏休みなので一家で日本に帰省している。春には会い損なってしまったから、かれこれ1年4ヶ月ぶりの再会。話すことが山と積もっていたため、それぞれの子どもが一緒になって広場や公園で遊んでいる脇で、蚊にさされかゆいのを我慢しながら、沢山おしゃべりをした。楽しかった。昔の友は、いいものである。上野の森の蝉時雨を聞きながら、藤沢周平の話などをした。いいよねえ、本当にいいよねえ。こういう話が合うところも、私には嬉しくて、またの再会を約束して別れた。

20年来の友は、今は散り散りになってしまったが、こうして一度集まると、時を隔てていても昔の感覚に戻り励ましあえる。元気が出る。友達って本当に、いいものだ。

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2005/08/11

カレーライス

今夜はカレー。夏だし全部で4人の子どもに食べさせなきゃいけないから、こういうメニューはありがたい。おばあちゃんも私も、これなら簡単この上なし。

ところがひとつ、問題あり。実は甥の一人がカレーライスが大嫌いなのである。小学校6年生の彼は、給食でこそ無理して食べるが、野球チームの合宿などでカレーが出ると(当然出るメニューです!)、ご飯だけしか食べないのだそうだ。当然、家でもそういうことになる。だから彼だけ、別メニュー!!

そんな彼が愛するのは、和風の魚。肉も嫌い。食べてくれない。豆腐も絹だと受け付けない。書き出したらきりがない。だから、いつも刺身だったり開きを焼いたのだったりするわけだ。私の妹も、よくこの年までこんな面倒くさい人育てたものだ、とまで思ってしまう。ところが、気立てがよくてかわいい子なので、仕方なく我慢して別メニューをいつも作ってやる。そのおにいちゃんも、大変なアレルギー体質なので、鶏肉はだめ、もちろん卵はだめ。ハンバーグを作るときも、卵抜き。いろいろ工夫が必要である。ということで……

今晩のカレーは、ポークかビーフ。別メニューは、やっぱり魚!あとは青物のおひたしでしょうか?今から買い物、行ってきます!!

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2005/08/10

「星になった少年」

息子を誘って、柳楽優弥主演「星になった少年」を観てきた。題名のとおり、最後には主人公が死んでしまうので、息子は感動して隣の席で泣いていた。こんな姿をはじめて見た。いい映画を観て泣く~この夏、いい体験をまたひとつしたようである。

ストーリー。動物プロダクションを営む家庭で育った主人公哲夢は、中学生だが学校で「動物臭い」といって仲間はずれにされている。家にはペリカン、チンパンジー、犬、馬、ヤギなどなどいろんな動物がいて、学校から帰ると彼はその世話をしている。生活は楽ではない。ある日、母親が念願の象を手に入れる。主人公は象の気持ちがよくわかる。象の魅力に取り付かれた哲夢にサファリパークのおじさんが、タイには象使いを養成する学校があると話す。若くないと象使いになれないと聞いて、主人公はタイに行くことを決心。最初は反対していた母も結局は応援してくれることになる。

タイでは苦労の連続。なかなか小象は主人公になじまない。しかし苦労の末ついに彼は象の気持ちをつかむことができる。一年半後立派に成長して帰国した彼を待っていたのは…?

キャストのうち、柳楽がとにかくよい。それからタイの象学校の校長先生、とってもよかった。父親役の高橋克実はミスキャスト。誰だったらよかったかといろいろ考えたけど、勝野洋なんかよかったんじゃないかなと思う。母親役の常盤貴子もちょっと若すぎる。動物が好きでたまらないとは思えない。その軽さを補うのが、常盤の母役の倍賞美津子。とてもよかった。全体を流れる坂本龍一の音楽が出色。やっぱり才能ですね。音楽のお陰で、映画全体に厚みが出たと思う。タイの風景もすばらしい。行ってみたいなと思った。

象って本当に、優しい目をしている。柳楽優弥の目も印象的。星になった哲夢の人生。実話だけに胸にしみる映画だった。

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2005/08/09

おにぎり

4年生の息子と一緒に、山谷の炊き出しに行って来た。ほんの2時間あまりの小さなボランティアであるが、これも社会体験と思って参加した。最初は電車で行こうと思ったが、車を出すわと知り合いが言ってくださり、高速を飛ばして行くことになった。目指すはほしのいえ。手書きで頂いていた地図の住所が全然違ったので、迷いに迷った。でもなんとか到着。

時刻は午後1時をまわっていて、すでにおにぎり作りははじまっていた。ほしのいえを拠点としたほしくずの会は、毎週火曜日午後5時から600あまりのおにぎりを労働者の皆さんに配るため、おにぎり作りをしている。軍手に調理用のビニール手袋をはめ、分業しながらわきあいあいとおにぎりをつくる。息子も張り切っていたが、ご飯の熱さと部屋の中の暑さのため、元気なおしゃべりはだんだん聞こえなくなる。ふと見ると、水道の水で手を冷やしている。私は運転手をしてくれた教会の婦人会の会長さんとともに、炊き出しのお味噌汁の具を刻む。油揚げと大根、長ネギ、わかめを、細かく細かく刻む。おにぎりを食べる人たちが箸を使わずに飲むので、小さければ小さいほど飲み干しやすいということ。

170グラムのご飯をお椀によそってくれるのは、労働者のおじさん。それに梅干と鰹節を混ぜた具をのせて、係りの人が丸くにぎる。塩味は忘れてはいけない。きっちり塩を手につけてにぎる。最後にお相撲さんのまわしのように海苔をひとまきしてできあがり。ラップに包んで、発泡スチロールの箱に順々に入れていく。息子はやがてグロッキー。部屋の隅でエプロンと三角巾を脱いでたたんで、椅子に座ってたまごっちをいじっている。もう、体力無いんだから!!でも、ここまでの道中も、一時間半だったしな。大人の私も、大分疲れた。3時。目標の630個を超えてもまだご飯があまっているので、あと少し、といって作業は続く。私たちは夕方の娘の保育園のお迎えもあるので、その時刻で失礼した。

正直、のどが渇いたので、ちょっとお店に寄って冷たいものを何杯か胃袋へ流し込む。やっとどうにか生き返る。あれは大変だ。毎週毎週やっている人たちは、偉いものだと思う。今度はもう少し近いところで、同じような奉仕があればやってみようと思う。世の中にはいろいろな人がいる。そのことを息子に知ってもらいたい、夏休みのひとつの思い付きであった。

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2005/08/07

いわいめでたや・おもしろや

いまだに寝る前の絵本の時間、息子は福音館の『日本の昔話』に夢中である。昨晩は、「いわいめでたや・おもしろや」。

あるところに、二人の息子を持つ夫婦があった。息子の名前をつけるとき、一人目はなにかめでたい名前にしようということで「いわいめでたや」と名づけた。二人目は何かおもしろい名前がよいということで「おもしろや」と名づけた。二人はすくすくと成長し、家の手伝いができるまでになった。

ある日兄が山へ芝刈りにでかけたところ、家では父親が急の病で亡くなった。どうしてよいかわからない弟は、山に兄を探しに行った。そして「いわいめでたや、親父が死んだぞ。」と麓から上へ上へと大声をかけながら上っていた。山に入っていた村人は、「いわいめでたや、親父が死んだ」とは、なんと不謹慎なと呆れて聞いていた。やがてそれを聞きつけた兄は、「それは本当か、おもしろや。」と何度も叫びながら山を下った。それを聞いていた村人は、なお酷いことだと怒って、兄と弟を村につれて帰り、たくさん叱ったということな。

この話は短いのだが、途中から息子が笑い転げだして、おなかを抱えて涙を出している。一晩あけても、兄妹は、この話をしては笑い転げて、久々のヒットと大喜び。子どもっていうものは、高価なおもちゃやテレビに夢中になることがあったとしても、こういうお話は好きなんだなと思うと、なんだか安心した夜だった。

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2005/08/06

ヒロシマ

今日はヒロシマ原爆投下の日。あれから60年。

一昔といえば一昔。しかし、いまだに苦しむ人々がいる。

遠い日の記憶は、褪せることはない。そこはまさに地獄だった。

どうか、どうかもう二度と、あのような悲劇が繰り返されることのないように。

飛行機の上から見下ろした街には、

普通の人間のささやかな幸福が、この夏の暑い日ざしのなか、

穏やかに広がっていたのだ。

どうか想像力を持ってもらいたい。

あれはゲームではなかったのだ。

現実だったのだ。

NO MORE HIROSHIMA.

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2005/08/04

娘からの手紙・それから

夕方になって、もう一通、娘が手紙をくれた。

「ままげんきになってよかったね

これからもずっとげんきでくらしてね」

昨日は私の曇った顔を見て、心細かったのだろうな。優しい言葉で励まされ、すっかり元気になった私。今日はみんなでご飯のあと、西瓜を切って食べたけど、皆喜んでくれてよかった。

反省すべきことは反省し、明日から心機一転、頑張ろう。

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娘からの手紙 2

また娘から手紙をもらった。7月20日以来である。

「ままへ

ままずっとなかよしでいたい

ままなくしたものもかなしいこころでいちゃだめ

わたしとおにいちゃんがあなたのたからもの

じぶんのこどもがふたりでじゅうぶんでしょ

だからそんなにかなしまないで

うれしいきもちですごしてください」

~ありがとう、マリコちゃん。あなたは本当に優しい子どもだね。

ママはあなたとおにいちゃんのお母さんで、本当に幸せだよ。

心配かけてごめんね。すぐ元気になるから、大丈夫だよ。~

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2005/08/03

凹む

朝保育園へ娘を送っていくために車を出すと、大通りに出るところに、小さなバンが立ちふさがるように停まっていた。仕方ない、迂回していこう。私の運転技術は、大変未熟である。ペーパードライバーを返上して一年。決まった道をゆくのは慣れたけれど、アクシデントに対応できる能力はまだ備わっていない。待っていれば数分でどいてくれそうな車だった。それなのに私は待つことをせず、いつもと違う急な細い坂を下っていこうとしたのだった。

下の道に出るのには幾つか角があるのだが、一つ目の角にはまた、停車中の車があり通れない。二つ目三つ目はとばして、最後の角を曲がることにして坂を下る。ところが角を曲がった途端、今度は引越しトラック作業中である。なんたること。二つ目か三つ目で曲がっとけばよかった。しかし後の祭り。急坂をバックしなければならなくなった私。すっかり舞い上がって、右のテールランプを電信柱にぶつけてしまった。凹んだ。

仕事場へ急ぐ。今日は大学に報告へ行く日。教授が研究室の内勤にどうか、という嬉しい話をしてくださる日でもある。私は調査の報告書類をいつもの仕事カバンにいれたまま出掛けた。書類は紛失することを恐れ、原則として一切家では出し入れをしない。

ところが、無いのである。台風の日に、仕事先から時間を切り上げあたふたと帰宅した記憶はあるのだが、その日の報告書が見当たらない。そばではいつもなら居ない筈の教授が、事務手続きが終わり自分の番が来るのを今か今かと待っている。その目の前で、「魔がさしたんですかね。」「無い訳ないですよね。」「落ち着いて考えましょう。」と矢継ぎ早に事務員に声をかけられている私。教授も、なんだか心配な事態ですねえ、とつぶやいている。結局その場で書類は見つからなかった。凹んだ。

家に帰って、あたりかまわず探し回るが、見つからない。悪夢のようだ。それこそ「魔がさして」捨ててしまったか?記憶が飛んでいる。若年認知症?それとも、四次元空間の入り口が我が家にあったりして?息子の社会のテキストも、この間からありえないけど行方不明である。

凹んで凹んで穴があき、誰も知らない世界へ吸い込まれていきたいくらい。今日はいつになく、落ち込んでいる。

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2005/08/02

♪TEEN TITANS THEME / PUFFY

電力館へ行ってきた。うちの子どもたちは、有線放送で見るカートゥーンネットワークの大ファン。馬鹿らしいアニメを見ては、始終笑っている。私の父親が放送局勤務だったせいか、昔から私もよくテレビを見ていたものだから、わが子が悪気の無いアニメをちょっと見すぎかなあと思っても注意できない。この夏休み、渋谷にある電力館で大好きなキャラクターが勢ぞろいすると聞いて、わくわくしている息子と娘を見て、久しぶりに渋谷に出かけようという気になった。

渋谷駅は乗り換えのためによく利用するが、街を歩き先へ進むのは久しぶり。山手線から見る建物は昔のままであるが、中身は私の記憶よりもずっと親しみやすく変身していた。キャラクターが勢ぞろいで、中でも気に入ったのが、日本の女性ボーカルグループ、PUFFY(パフィー)のコーナー。TEEN TITANS という新しく始まるアニメの主題歌を今やアメリカで人気のパフィーが歌う。

日本語の歌詞が痛快である。♪地震雷火事おや~じ 国語算数理科社会~、ときたもんだ。それから気に入ったのは、♪パパのスケジュールコントロール、ママの体重コントロールっていうところ。面白いしのりがいいし、あの気だるい感じは昔のまま。ちょっと8時だよ全員集合の終わりの歌を思い浮かべてしまう。子どもより自分のほうがのりのりになってしまう。いいじゃんいいじゃん、これいいじゃん、と大喜び。

電力館を後にして夕方は娘の病院へまわり散々待たされ、疲れ果てた一日だったが、あの元気なパフィーの歌声で、今日はなんだかうきうきしている。いい曲だなあ。よくテレビの部屋から聞こえてたけどまともに聴くのは今日が初めてだったから、嬉しい発見気分。もしもカラオケに入っていたなら、思いっきり歌ってみたいなあ。そう思わせてくれる、楽しい曲。日本語バージョンをいくら探しても、試聴できるサイトがみつからないので紹介できないのが返す返すも残念だ。

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2005/08/01

「大根の月」

向田邦子の『思い出トランプ』を読んでいる。気になっていたのは収録されている「大根の月」。向田ドラマの中でも忘れがたいストーリーだったので、本を読んでみたいと思った。

主人公は祖母仕込で三日に一度は包丁を砥ぐ主婦である。姑にやんわりと嫌味を言われても、その習慣は変わらない。切れ味の良い包丁で、大根を薄く切るのがうまくいくと、いつも母のことを小さな声で馬鹿にしていた祖母を見返したような気になるのである。結婚前、一番しあわせな結婚指輪を買いに出かけた折のこと、夫と昼の月を見上げて言葉を交わしたことがあった。昼の月は、絵空事のような幸福な結婚を思い描いていたその頃を、思い出させるものである。

あるとき6歳になる長男が、まな板でハムを切っていた主人公のそばでふざけていて手を出した。あっと思うまもなく、息子の右の人差し指の先が2センチ、切り落とされてしまった。息子の指は元に戻らなかった。姑に嫌味を言われ、かばってもくれない夫。そのショックで主人公は流産してしまう。その入院中に息子はいつのまにか姑になつき、主人公は家を出てしまう。夫の存在感のなさといったら。男とはこんなに頼りにならないものか。

指という文字を見るたびに、家を出て子どもをあきらめた主人公は胸が騒ぐ。ぴかぴかの一年生を見ても心がうずく。夫は離婚を前提とした別居を半年続けたところで、主人公を迎えに来る。彼女は「戻ってくれ」という言葉に揺れる心のまま、空を見上げて昼の月が出ていたら戻る、出ていなかったら戻らないと思うが、怖くて目を上げ月を探すことができない。

向田邦子は、愛する人はいたものの結婚した経験の無い人だ。自分の育った生家の様子を思い浮かべながら、こういった短編や小説を書いていたのだと思うが、この短いドラマの中に語られる人間たちの感情があまりにもリアルで、心にずしんと響くものがあるのはさすがである。この人が今もこの世の人であったなら、一体どんな活躍をしただろう。あまりにも早い死であったことを、世間の人々と同じく、私も惜しむ気持ちでいっぱいである。

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