生きる意味
V・E・フランクルの『それでも人生にイエスと言う』を読んだ。著者は、ナチスの収容所から生還した精神科医で、有名な著作に『夜と霧』がある。
紹介してくださったのは、ハンナの祈りのまざあぐうすさん。まざあぐうすさんは、このほかに、ほのぼの文庫という読書日記を書いている読書家であり、とても私の能力ではおいつかないような読解力をお持ちなのである。
実は『夜と霧』は、昔からずっと本棚にしまったままの本だ。私が中学生時代につけていた日記を紹介しながら、あるとき教会でお話しする機会があったのだが、そのときに牧師が『夜と霧』を例に出して奨励してくださったので、よし読むぞと本棚に並べたまではよかったのだが…。しかし、ブログでお知り合いになったまざあぐうすさんによると、『それでも人生にイエスと言う』のほうが、ずっと読みやすいとのこと。早速図書館で借りてみた。
フランクルは、家族とともにユダヤ人であるということで収容所送りになったあと、妻や子どもをいっせいにガス室送りにされた。その後自分は過酷な強制収容所で、生き抜いたのである。
その体験を経て、解放から一年後、ウィーンの市民大学の講座でフランクルが行った講演をおさめたのが、この本。
難しい内容ではあるが、短く、わかりやすい文章なので、私にも読むことが出来た。そして、勇気を与えられた。タイトルは、収容所のなかでつくられ、皆に歌われていた歌の一部からとったものだという。生きる意味を考えさせてくれる、すばらしい一冊。
フランクルは言う。
~人間は、あらゆることにもかかわらずーー困窮と死にもかかわらず、身体的心理的な病気の苦悩にかかわらず、また強制収容所の運命の下にあったとしてもーー人生にイエスと言うことができるのです。~
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コメント
ののかさん、『それでも人生にイエスと言う』をお読みになられたのですね。
私は、毎年、この位の時期(夏の暑さが過ぎ、涼しくなる頃)になるとこの本を再読しています。
読書を共有できてうれしいです。
これからもお互いに情報交換しながらブログを楽しんでゆきましょう。よろしくお願い致します。
投稿: まざあぐうす | 2005/09/24 20:26
ののかさん、おはようございます。
私は、ユダヤ人の強制収容所に関する話は、つらすぎて読めないというのが、正直な感想です。
でも、この本のタイトルには心惹かれるものがあります。
ののかさんの読みやすいというお言葉を信じて(^^)、機会があったら読んでみたいと思います。本のご紹介ありがとうございます。
投稿: | 2005/09/25 10:14
まざあぐうすさん、こんにちは。
よい本、ご紹介いただき、ありがとうございました。
生きる意味を、この人の言葉で語られると、実に重みがあり、心にドスンときました。
これからも、どうぞよろしく。
投稿: ののか | 2005/09/25 17:08
○○○さん、こんにちは。
本当に読みやすいですから、大丈夫です。
すばらしい本ですよ。きっと感動すると思います(*^。^*)。
投稿: ののか | 2005/09/25 17:13
ののかさん、すみません。名無しは私です(^^;)。
今度はしっかり登録しましたので、大丈夫だと思います(多分2回目です、忘れたのは。恥ずかしい…)。
本はぜひ読みたいと思っています。
投稿: ミント | 2005/09/25 19:13
やっぱり、ミントさんでしたか。
そうだと思ったんですけど、
確信が無かったんですよ。
どうぞ、お気になさらずに(私もよくやります)。
投稿: ののか | 2005/09/25 19:28