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2005/11/24

「あたたかい右の手」

うちの息子は、手がとても温かい。「ボクの手は、あったかいよ。」と寒い冬の夜などに、お布団で温めてくれるほど。このごろ寒くなってきたので、彼はまたそう言って、眠るとき自分の手を触らせる。「あったかいねえ。」とその手を右手で握りかえしながら、昔読んだ短編を思い出した。それは、壼井栄童話集のなかの「あたたかい右の手」。

私が覚えている話の内容は、ある女の子が気の合う友達がいたのだが、やがて体の弱いその清らかな少女は別の学校へゆく。そして久しぶりに遠足の前の日に会うが、その友だちは遠足の満員電車の中で、あまりの混雑に圧死してしまう、という痛ましい話だった。なんだか痛々しい気持ちだけが残って、なんで「あたたかい右の手」という題名だったのかが思い出せないでいた。

昨日たまたま図書室で、上記の本をみつけたので探してみると、「あたたかい右の手」があった。その亡くなった少女の名は慈雨(じう)ちゃんという。信仰の篤い家庭にそだち、将来はシスター(どうていさん)になりたいと話していたという設定だった。主人公の竹子は、慈雨ちゃんが亡くなったという悲しい知らせを聞いた日、母と話しながらその手を握ると、それはあたかい母の右の手だった、という終わり方だった。

そうか、温かかったのは、お母さんの右の手だったのか、と最近の疑問が解けてすっきり。このように、部分的にしか覚えていなくて気になっている本が他にもあるので、チャンスがあったら小さいときの記憶をたどってすっきりさせてみたいなと思っている。

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