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2005/12/22

内村鑑三『後世への最大遺物』

教会の知り合いであるRさんは、病弱だった母にかわり自分を大切に世話してくれたおばあさんが亡くなったとき、感謝と尊敬の気持ちをこめて、お棺に聖書とこの内村鑑三の書を入れたそうである。

内村鑑三といえば有名だが私は今まで著作を読んだことがなかった。Rさんの話を聞いて、後世への最大遺物・デンマルク国の話を読んでみようと思った。短いから、すぐ読めるわよとのお勧めの言葉を信じ読み始めたが、たしかにすらすらと頭に入る。

これは明治27(1894)年に行われたキリスト教の信者の修養会で語られた講演の内容である。解説によると、この講演の主旨は次のようになる。

われわれが50年の生命を託したこの美しい地球、この美しい国、このわれわれを育ててくれた山や河、われわれはこれに何も遺さずに死んでしまいたくない、何かこの世に記念物を遺して逝きたい、それならばわれわれは何をこの世に遺して逝こうか、金か、事業か、思想か、これいずれも遺すに価値あるものである、しかしこれは何人にも遺すことのできるものではない、またこれ本当の最大の遺物ではない、それならば何人にも遺すことのできる本当の最大遺物は何であるか、それは勇ましい高尚なる生涯である、

これを説明するために、鑑三の体験や東西の著名人のことが随所に紹介してある。二宮金次郎なんて、私には時折どこかの町で見かけた銅像でしか知らない人なのだが、この本を読んで、偉い人もいたものだと思ったりした。私は外国で見聞を深めたことも少ないので、この当時内村鑑三の見聞きし考えたことを想像することは難しいところも多々あるが、言いたいことはよくわかる。

このごろ息子が、図書室で何を読もうかわからないと言う。確かに非常に蔵書が少ない上に、良書も見当たらないような図書室では選ぶのも大変だ。その中からでも、伝記を選んで読んでみたら、と私はアドバイスしたばかり。実は吉村作治がエジプト考古学者になったのは、息子の年のころ図書室の先生にすすめられ伝記を読みまくっていたときに出会った、ピラミッドの発掘のお話がきっかけと知ったので、これはいいと思ったのである。先人の行ったこと・考えたことを知るということは、子どもでも大人でも人生に何かしらヒントを与えてくれるものであるように思う。私もこの著作を通じて、何か人生を励ましてもらったような気になるのである。私には今のところ、お金も事業も思想も遺せそうもないからである。Rさんがおばあさんの棺にこの本を入れた気持ちが、なるほどよくわかった。

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コメント

ののかさん、こんにちは。伝記は、子ども向けのものでも、結構面白く読めますよね。
私も子どもに読み聞かせながら、自分のほうが夢中になって読んでしまったことがあります。

>人生に何かしらヒントを与えてくれるものであるように思う。
伝記に限らず、本から得るものはたくさんありますよね。

投稿: ミント | 2005/12/22 10:29

ミントさん、こんばんは。
そうですね、本はいろいろなことを教えてくれるものですね。

投稿: ののか | 2005/12/22 21:59

トラックバック有難うございます。お邪魔してみて驚きました。
私はクリスチャン暦一年の新前クリスチャンです。時々お邪魔したいと思います。

投稿: 迷迭草(ローズマリー) | 2006/02/26 16:35

ローズマリーさん、いらっしゃいませ。
ローズマリーはお料理に使うと
素敵ですよね。こういう字を書くとは、今まで知りませんでした。
ブログで色の世界を通じて、これからも私達をいっぱい励ましてください。

クリスチャン歴は私は長いことは長い、短いといえば短い(ん~もうすぐ20年です)ですが、まだまだなんですよ~。
これからもどうぞよろしく♪

投稿: ののか | 2006/02/26 18:25

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