『エミリーへの手紙』

エミリーへの手紙

posted with 簡単リンクくん at 2005.12.12

キャムロン・ライト著 / 小田島 則子訳 / 小田島 恒志訳
日本放送出版協会 (2002.6)
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あまり期待しないで読み始めたのだが、いきなりこの世界にひきずりこまれてしまった。

私の父は、脳梗塞で倒れて手足が左だけ不自由になったが、頭はしゃっきりしている。しかしときには混乱することがあるようだし、気持ちが不安定なことがある。離れて住んでいても、電話やたまに訪問したときなど、そういう父を理解しようとするとその作業は霧の中で目をこらしているような疲労を覚える。しかしこの本を読みすすめていくうちに、なんとなくそんな父の気持ちが分かるような気がしはじめた。（といっても、父の死期が近いとは思っていないので、誤解のないように……）。

死を間近に予感しているアルツハイマー（？）が進行しつつある老人が、一番愛情を感じている孫娘・エミリーに遺した自作の詩集に秘められた謎とは？

早く先が読みたい。そういう本である。