お化け
昨日記事に書いたのだが、娘が昨日お化けレストランを保育園でやった。娘はこの日をとても楽しみにしていた。でも私の心中は、穏やかではなかった。お化け?どうしてあなたがやらなきゃならないのって。
息子が幼稚園のときまだ娘は赤ちゃんで、私は娘をおぶっては幼稚園の行事によく参加した。娘は生まれつき顔に痣があり、治療のために私は病院だ~クスリだ~とふらふらになっていたのだが、街角で~幼稚園で~病院の待合室で、ひそひそと、時にはどうどうと、その顔どうしたの?と訊かれたものである。「お化けみたい」と言われたこともあり、私はそれ以来どうしても「お化け」が嫌いになったのである。幼稚園で3月に卒園お祝い会があり、その打ち合わせの日にわたしが娘の病院で参加できなかったことがあった。あとからきいたら、お母さんの出し物が何種類かあって、ののかさんはお化けの劇になったよ、ということ。私は珍しく「絶対に嫌」とわがままを言って、ノンタンの劇に変更させてもらった。娘をおぶって「お化け」は絶対したくなかったからである。
しかし時が過ぎ、娘は治療や手術をして街角で「お化け」といわれることはなくなった。いまだにあだ名をつけてからかう人間はいるらしいが、それが直接私の耳に入ったことは無い。当人が一番大変なのに母親の私がいちいち傷ついていては申し訳ないのだが、私は本当に心無い一言にあの当時傷ついたのである。二度とあんな思いはしたくない。娘のことを守りたいし、これからも一生懸命体をはって生きていくぞ~と決心しているんだけど、娘はしっかりと成長して、自分に自信をもっている(らしい)。だから平気なのだ、自分がお化けレストランの仲間になったって。何にも言われなかったらしいし。よかった。こういう日がくるなんて、昔は想像できなかった。娘は娘の人生を、こうやって自分の力で生きていくのだな。
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コメント
ののかさん、こんにちは。
私はこういう経験がないのに、おこがましいのですが、お嬢さんのことは、お嬢さん自身がクリアしていければ、それで大丈夫なのではないでしょうか。
自分はこういう顔と自信を持てれば、他の人がなんというかは関係ない、と私は思います。
人の顔をどう見るかは、見る人の心の問題だと思います。
子どもは、親が考えているより、たくましく育っていくものですね。
投稿: ミント | 2006/02/18 10:51
ミントさんへ、コメントありがとうございます。
そうなんですよ、子ども本人の問題なんですけれど、小さいうちは親は親の問題とも捉えるので、なんていうんでしょうか~一緒になって(っていうか娘は赤ちゃんだからわかんなかったですね~)怒ったり泣いたりしていたんですよ、私は。
恨んだし、憎んだし、忙しかったです。。
でも、いつも優しく見守ってくれる仲間に恵まれて、私達は幸せだったと思っています。
しっかし、子どもってのは純粋でずばりと
結構ひどいことを言う生き物でして、こういうのが実は手ごわい相手なのです、
見た目にハンディがある人びとにとっては。
じろじろ見られますしね~あれだけはいけません。絶対いけません。
見た目が自分と違う人をみかけたら、
好意ある無関心を装ってもらいたいと願う私です。
投稿: ののか | 2006/02/18 20:38
ののかさん、こんばんは~(^^)
う~んとう~んと、この記事を読んでから、コメント入れようかどうしようか、何か迷ってしまってたんですが、ののかさんが不適切と思ったら削除しちゃってくださいね。
私は娘さんの事を羨ましいと思ってしまいました。
自分の事で、傷ついたり怒ったりしてくれる人がいる・・・特にそれが親だったりするって、人生を生きていく大きな力になると思うんです。
きっと娘さんは、ののかさんを母親に持った事で、何があっても、自分に自信を持って自分を大切に、人生を歩いていけるのではないかな~、って・・・「お化け」と言われた経験のあるワタシとしては思いました。
ののかさんの気持ちを逆なでするようなコメントになっちゃったかもです(汗)
勝手に、自分の子供時代とダブらせしまいました。
本当にごめんなさいです。
投稿: 宇砂子 | 2006/02/18 23:53
yuzukiさんへ。
ちょうど、
>大江さんの「恢復する家族」
図書館で借りてきたところです。
good,niceな選択だったですね~私。。。
『博士の愛した数式』をもう少しで読み終わるので、
『バッテリー』にちょっと待っててもらって、
『恢復する家族』を読もうと思います♡
投稿: ののか | 2006/02/19 09:04
宇砂子さんへ。
コメントありがとうございます♡
娘が赤ちゃんのころ私はかな~りきてしまっていたので、
「よくぞこの私のところに生まれてきてくれた。親を選んだのね、あなたは。。。」なんて本気で思っていましたよ。娘は娘なりに成長し、私に気をつかって滅多にいじめられたことは言わないのですが、多分自分の顔のことは気にはしているけど、人生最大の問題には今のところなっていないようで安心しています。
宇砂子さんは、小さいとき辛かった経験をして本当にそんなこと無いほうが良かったことだと思うけど、
その分優しく弱っている人にエールを送ってくださって、素晴らしいなと思います。ありがとう。
投稿: ののか | 2006/02/19 09:12
ののかさん こんにちは
娘を出産して、痣の事で辛かった時にとても優しくしてくださった看護師さんに昨日偶然会いました。短時間でしたがお話も出来ました。辛かった時に親身になってくださった方に会うと、なんだか心がホワッとします。
ののかさんの文章を読んでいる時も心がホワッとします。
≫こういう日がくるなんて、昔は想像できな≫かった。
私にもそう言える日が来るように、前向きに頑張ります。
投稿: くま子 | 2006/02/22 11:54
くま子さんへ。
看護婦さんに会ったお話を読ませていただいて、私も娘がまだ新生児だったころ、つらい治療の帰り道に繁華街である人に呼び止められたことを思い出しました。
その人は第一子が出産時の事故で脳性まひになり、共に歩む生活をしている年上の婦人でした。
あの日あの人に出会ったこと、そして私が抱っこしていた娘を見てかけてくださったあたたかい言葉は、思い返してみますと、私がそれからの困難な日々を歩むうえでどれだけ励みになったかわかりません。
「前へ」進むことがつらくなること、たちつくすことはありますが、重い足取りでも重ねていけばかならず前進するのですね。
いつか私のように、くま子さんも過ぎた日々をふと振り返る時がきて、そのときののかの言っていたことはあながち嘘ではなかったと思えるといいなあと祈っています。。。
投稿: ののか | 2006/02/23 05:37