『シャロンの小さなバラ』
『シャロンの小さなバラ(Little Rose of Sharon)』(2001年、いのちのことば社)
この間の日曜に、韓国出身の神学生が、子どもたちの礼拝のときに読み聞かせしてくださった絵本。優しい声の方なので、とっても心地よいひとときだった。若い男の人が読み聞かせをするのも、いいものだわ~。3年前に来日する前から、日本語を学んでいたそうで、日本語がとても上手な方なのであるが、一部たどたどしいところもある。そこがまた、心に残る優しいストーリーに入り込みやすい雰囲気をかもし出していた。
大切な絵本を無理を言ってお借りして、我が家のお花のところでとった一枚がこれ。内容は、キリスト教的であるが、小さなこどもにもよくわかると思った。
~シャロンの丘に咲く、美しい小さなバラは、真上のいちじくの木に山鳩が巣を作り、親鳥が卵を温めていることを知っている。バラは、自分をつくってくださった神様が今の私を見たら、どんなにお喜びになるかしら、とか、卵から鳩の雛がかえったらどんなに素敵かしら、と思いをめぐらしながら咲いている。そんなある日、バラのところに神様がやってきて、小さなバラに気づきにっこりしたので、バラは最高に嬉しい気分になった。ところがその晩、おおきな嵐がやってきて、バラはなぎ倒されそうになった。バラは必死に踏ん張って、一枚の花びらも落とさずに済み、ほっとした。ところが朝になってよく見ると、バラの根元に鳩の卵が落ちていた。卵を探して飛び回る親鳩に、卵の場所を知らせる術もないまま、バラは心を痛めて一日中咲いていた。「あの卵をあたためつづけていなくては、ひな鳥は中で死んでしまうわ。」
夜になって、ゆっくりと月がのぼってきた時刻、バラはあの卵をあたためるたったひとつの方法を思いつき、実行した。自分の花びらを一枚ずつ落として、卵を温める毛布をつくったのである。翌朝になって、小さなバラはなにかがささやくような声で目を覚ます。なんと、ひな鳥が卵から無事に孵ったのである。親鳥はそれに気が付いて、ひな鳥を巣につれて帰った。やがて日がのぼり、バラが頭上の鳩たちの優しい声を聞いていると、丘の上から神様がゆっくりとこちらに歩いてくるのが見えた。「どうしよう、私はこんなにみっともない姿になってしまった。」バラは恥ずかしくて、うつむいて立っていた。しかし神様は、そのバラの姿を見て、茎をさわりながら暖かい言葉をかけてくださった。「ひな鳥のためにおまえが愛をしめしたから、わたしは息子をシャロンのバラと呼ぼう。息子もわたしの愛をこの世にしめすため、持っているものすべてをささげるのだから。」~
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コメント
ばら科の植物が好きです。その多くは食べられる実をつけるから。ってだけですが。
ばら科の植物で、トゲを持つのは少数なんですね。で、包んであげられるほどの花弁を持つのも少数。
ばらの印象は、その姿から孤高、魔性、依存などが浮かんできますが、最近はとても気になる存在です。
去年、切り株から再生したばらは、今年、結局再起しませんでした。かわりに清泉寮で買ったいちごが元気です。
投稿: のり | 2006/04/28 22:08
のりさんはバラがお好きなんだなあ、とは以前から思っていましたが、理由が実が成るから、だなんて、知りませんでした!綺麗ですしね。かわりにいちごなんですか。いちご、可愛くて、私も大好きです。またお越しくださいね。
投稿: ののか(のりさんへ) | 2006/04/29 21:05