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2006/04/30

♪BIG MAMA

痛ましいJR福知山線の脱線事故から、1年がたった。亡くなった方が107人という、大惨事。その犠牲者のうちの、ひとりの大学生の話を、昨日NHKの放送で知った(@ヒューマン)。

大阪教育大学で、将来小学校の先生になるべく学んでいた小前宏一さん(当時2回生)は、あの日あの電車の一両目に乗っていて、亡くなった。宏一さんを失った後、部屋から宏一さんのCDがみつかる。それは、BIG MAMAというタイトルの曲のCD。事故の二週間くらい前から、息子さんが気に入ってずっと聴いていたというこの曲は、不思議と宏一さん母子に重なる歌詞。息子から母親に、「ありがとう、ありがとう」と重ねて感謝のメッセージを送る内容であった。

そういえば宏一も普段から「ありがとう」「サンキュー」とよく言う子でした、と母親のインタビューが流れる。短いけれど、愛情をいっぱい受けて、精一杯生きた一生だったのだ。そして、事故から1年。宏一さんがよく過ごしていたという大学の庭に、その両親が寄付したお金で、時計塔が建てられた。時を刻むその時計から流れるメロディは、♪BIG MAMA。悲しくて切ないけれども、軽快なメロディを聴くと、なぜか心が温まる。

番組では、爽やかな穏やかな笑顔を見せてくれたお母さんだが、心中はどんなだったろう。生きていて欲しかったに違いない、生きていて欲しかったに違いない。そう思うと、胸がきゅんとした。

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