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2006/05/04

「ホテル・ルワンダ」

昨晩映画「ホテル・ルワンダ」を、ようやくレイトショーで観ることが出来た。自分へのご褒美の時間。とはいえ、内容は重い。「天が泣いている。イエスが泣いている。…どこに救いがあるのか。誰が助けてくれるのか。アフリカを助けて。」主題歌の歌詞が、心に響く。

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1994年4月、フツ族とツチ族の2部族との織り成す社会であったルワンダは、内戦の和平の調停が結ばれたその日に大統領が暗殺されて、ツチ族の大量虐殺が始まった。それは何年も前からひそかに用意された殺戮リストによって、ラジオのプロパガンダに乗って行われた。「ゴキブリを消せ。」100日間で100万人もの人が、ナタや斧でなぶり殺しにされたのだ。子どももどんどん殺された。種の根絶を目指して。女たちは辱めを受け、その上で殺された。私は映画館で、何度も「神様助けて。」とつぶやき、目を覆い、涙を流した。そんななか、4星ホテルの支配人だったフツ族の男が、妻であるツチ族と家族を守るため、あらゆる手を尽くしてホテルに1200人の人間をかくまったという実話を映画化したのが、この「ホテル・ルワンダ」である。

世界では、争いが、今日もどこかで続いている。イマジン。そう、想像力が、今こそ大切。今ここで起こっていることと、世界の片隅で行われている殺戮は、なんの関係もないわけじゃない。そこから発せられるS・O・Sを、キャッチできる心を持ち続けよう。ルワンダのホテルに逃げ込んだ1200人の避難民は、受話器を握って、海外の人びとに、個人的に窮状を訴えた。そして、別れを告げた。サヨナラと言いつつ、電話で相手の手を握り、あなたがこの手を離したら、われわれは確実に死ぬしかない、ということを伝えた。それでようやく、救助への足がかりをつかんだのである。

昨日は、憲法記念日。町では、護憲を訴える行進が行われていた。私たちの国は、大丈夫なのだろうか?いつの間にか、国にとって役に立つ人と役に立たない人に、日本人が分けられてきてはいないか?憲法第九条は、この60年日本の平和を守ってきただけでなく、世界の人びとにも希望の灯になっていたのではないだろうか?歴史から学び、同じ過ちを犯さないように、気づいたときからでよいので、私たちは今この世の中で起こっている出来事に、敏感でなければならないと、私は映画を観て思ったのである。

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コメント

ナショナルジオグラフィック
だったかニュースだったかで
見たショッキングな写真。
教会の中に折り重なって死んでいた人達。
何故教会に死体だったのか。
あの時その大量虐殺の真相を知りたかった事を
ののかさんの日記で思い出しました。

最近の朝日新聞で「東京裁判」のことや「水俣病」
の記事を読みました。
過去の事かと思ったら大間違い。

他にも真相を知りたい事って沢山あったと思う
んですがその時に行動に移さないと
何を知りたかったかすら忘れてしまって。。。

結局私平和ボケなんですよね。

投稿: あづゅ | 2006/05/05 14:46

あづゅさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
ナショナルジオグラフィック面白いですね。
いつも斜め読みですが、必ず目を通しています。
「人類の旅」ってのと、「ユダの福音書」ってのがかなり興味をひきました。

>平和ボケなんですよね

平和ボケも、悪いことじゃないですよ。
ただ、子育てしている身としては、知らないうちに平和じゃなくなってたら、子どもに責任とれないなあ、って気持ちが、私にはあるんですよね。
といって、何が出来るわけじゃないんですが…。
早くお子様の風邪が快方に向かいますように。

投稿: ののか | 2006/05/05 21:53

ののかさん、こんにちは。
お子様たちの夏休みももうじき終わりで、いろいろ大変でしょうか?

古い記事ですが、私もこの映画を観ましたので、TBさせていただきました。
起きたことはとても残虐ですが、映画としても見ごたえがあって、とてもよくまとまっていると思いました。

>この世の中で起こっている出来事に、敏感でなければならない
本当にそうですね。どんなときでも、きちんとした意志表示をできる人間でいたいと思います。

投稿: ミント | 2006/08/26 16:11

ミントさん、コメントとTBありがとうございました。
1人でも多くの人に、見てもらいたい映画だと、私も思います。
それにしても、希望は捨てないで、人間をキライにならないで、生きていきたいものですね。

投稿: ののか | 2006/08/26 21:34

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受信: 2006/05/04 19:58

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