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2006/09/17

『坊っちゃん』

今日は湘南新宿ラインにはじめて乗ってみた。これが噂の電車か。なかなか便利である。そして、大宮駅から今度は、新幹線に乗る。鉄道はいろんな乗継が出来るから、本当に面白い。

さて、用事がさっさと終わって家に帰ろうと思ったら、なんだか本屋に寄りたくなった。旅は道連れである。くたびれていたのによろよろと、地方の本屋へ入る。文庫のコーナーで小一時間。手にとっては戻し、手にとっては戻し、ためらいすぎてくたびれた。諦めかけたころ目に入ったのが、夏目漱石『坊っちゃん』林芙美子の『放浪記』の2冊。これならよさそうだ。

新幹線の自由席は、空いていた。窓際を陣取り、おやきを頬張りながら、私は『坊っちゃん』を読んだ。江戸っ子の主人公が、清のことを思い出しながら遠い四国の松山で頑張っている姿に、クスクス笑わせてもらう。清は唯一褒めてくれる大人だった。だから坊っちゃんは、清が好きなのだ。子どもは褒めて育てないといけない。そうしないと、年寄りになってから大切にしてもらえない。子どもも、自分のことを好きになれない。褒められることは、大切だ。坊っちゃんが元気で頑張れるのは、応援してくれていた清がいつも自分を信じていてくれるのがわかるからである。信じることも、大切だ。バカみたいな愛情だって、掛けてもらえた方は嬉しいのだ。キャッチボールみたいなものである。大事なキャッチボールができた子どもは、他の人にもボールを投げることができる。心のキャッチボールは、心を豊かに大きく強く育てるのだ。甘えることも、甘えさせることも大事。それにしても、清がくれた3円を便所に落としてしまったのを、清が怒りもせずに拾って洗ってくれてきれいな銀貨に取り替えてくれる話など、笑いながらも泣かせてくれる、いい話だなあ。

さて読み始めて少しして、そういえば2冊ともこの夏私が旅で訪れた地方にゆかりのある本だと気づいた。そうなのだ。まだまだ私の中では、旅の記憶が新しい。本当に楽しい旅だった。子どもたちもそう思ってくれたようだ。~今日の教会の週報に載ったあるご婦人の記事~それは敬老の日ということで、教会学校の子どもたちがお年寄りに手分けして1人ずつ書いた手紙をもらって、とても嬉しかったという内容だった。読むと、なんとわが息子の書いた四国旅行の話ではないか。息子はいきいきと、どんなに楽しい旅行だったのかを、普段は馴染みのないご老人宛てに手紙で書いたらしい。讃岐うどんや鰹のたたきのイラスト入り。坂本龍馬の銅像が人間の12倍もある大きさだったとか、阿波踊りに行ったとか。記事の最後に「若いときから所々方々を旅行し、さまざまな経験をすることが心と体を養うもとになるとお手紙から強く思いました。ありがとう」とあり、その手紙でたいそう喜んでいただけて良かったなあ、と親としては嬉しい思いをした。そして朝の礼拝の後私は電車に乗ったわけだが、今日は旅といってもただの移動。本当の旅ではない。それでも、いろんな乗り物で移動することを私がとても好きなことを、最近私は発見した。

さて、こうやってワクワク読みすすめた『坊っちゃん』は、帰宅までに読み終えられなかったけれど、久しぶりに読み返してみるとやっぱり面白い。夏目漱石は大したものだ。一方の林芙美子の作品は、実はまだ一冊も読んだことがない。森光子さんが、舞台で大変な記録を更新中というニュースを聞いたばかりだし、気分的には勢いで、この代表作である女の一代記を読んでしまいたい。そうやって、いいこともあったけれども全般的には疲れている心を、なんとかこうとか元気にしたい私である。

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コメント

>私が一番大好きな小説が「坊ちゃん」です。

まあ、そうだったんですか、yuzukiさん。
ますますご縁を感じてしまいます。

こんな小説を書いた夏目漱石って、
すごいなあって感心しながら読んでいます。

投稿: ののか | 2006/09/18 00:21

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