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2006/09/08

『おっきょちゃんとかっぱ』

このごろテレビに時間をとられて、絵本から遠ざかっていたこどもたち。でも昨晩は、絵本タイムを楽しめたのでよかった。ママが選んでというので、見慣れたはずの本棚をのぞくと、これは本当に魔法使いの仕業だと思うのだが、見覚えのない本がある。一体誰が?まったく記憶にない。どうも昨夏仕事におわれて、保育園で渡された福音館の「こどものとも」を、読まずにそのまま本棚に放り込んだのが今頃お目見えしたというのが真相らしいが、私は今でも狐につままれたようなのである。その本は、『おっきょちゃんとかっぱ』(長谷川摂子文、降矢なな絵)。我が家の場合は、廉価版である。

おっきょちゃんという女の子が、ある日川でかっぱのお祭りに誘われて、川底へ遊びに行ったらお母さんのことを忘れてしまい、楽しくかっぱの子になって暮らすのだけど、川面に浮かぶお人形をみつけてようやく記憶をとりもどし、かっぱたちの優しいおまじないで、夢のように素敵な方法でお母さんのもとに帰るおはなし。私は同じ作者の『めっきらもっきらどおんどん』が、おばけがでてくるせいで共感できないのだが、かっぱのこのお話は名作だと思う。読んであげた私だけでなく、こどもたちもとても感動し面白がってくれたのが、何より嬉しかった。

そして読み終わった私の心に、ひとつの情景が浮かぶのである。それは、東京の小さな町で、夜の白熱灯に照らし出されたような祭りの風景。学生時代に雑司が谷の鬼子母神のお祭りに行ったときにも思い出したのだけど、私は小さい頃、一度だけ、見世物小屋が出るようなそういう夜祭に出かけたことがあるらしいのだ。そのときの、光のうごめく、胸の奥がそわそわする感覚が、降矢さんのかっぱの川底でのおまつりの風景に重なるのである。あの不思議な光景。この部分だけでも、私はこの絵本がすばらしいなあと感じた。長谷川摂子さんのお話も、すばらしい。この絵本は、傑作である。

見慣れたはずの本棚から、真新しい絵本が出てくるなんて…。その本が、私の遠い記憶を呼び覚まし、震えるほどの感動を与えてくれるなんて。私は絵本の精から、何かのご褒美に、素敵な贈り物をもらったような気分である。

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コメント

こんばんわ、、。

両方に共通する「亜空間」の入り口、、。
ととろもそうだったけれど、大人になった私たちにはもう見えなくなってしまったんでしょうね。
その昔、下宿先のお母さんのお話には「"京の六口"といってそういった入り口があるから夜は出かけないように、、。」と言われたこと思い出します。
義姉は「荒神口」近くに住んでますけど、、。

三歳まではお腹の中での記憶があるといいますし、五歳ぐらいなら本来"見えてはいけないもの"が見えると聞いたことがあります。
下の子がまだ本当に幼かった頃、風呂上りに鏡に向かってしきりに手を振っていたことがありました。思い返すと、、少しコワイです。

ところで、最近アップやコメント頂く時刻がめちゃくちゃ早いですが、ちゃんと寝てらっしゃいますか?

投稿: sada | 2006/09/08 19:29

sadakichiさんへ。
気になることがあって、ひとねいりしたあと、夜中に目覚めていました。
昨日今日は、よく眠れたみたい…。

「亜空間」の話、面白いですね~。絵本を私も書いてみたくなっちゃったなあ…。

投稿: ののか | 2006/09/10 21:15

『おっきょちゃんとかっぱ』を原作とした,
「たからをこめてかえさんしょ」という演劇を昨年見ました。とっても幻想的で夢の世界に浸れましたよ。地方の小さな演劇集団が学校の体育館で演じたものです。

http://www.geocities.jp/sanyodosan/kappa.jpg

投稿: ヒデボー | 2006/09/10 22:52

ヒデボーさん、こんにちは。
「たからをこめてかえさんしょ」
という台詞、
気に入っています。
そうか~演劇になっていたんだ、
素敵だなあ。
ヒデボーさん、情報ありがとうございました。

投稿: ののか | 2006/09/11 00:36

yuzukiさん、こんばんは。
お~そうでした。
ブログでお祭りの風景、
見せていただいたことがありました。
素敵な絵本でしたでしょ?

>今となってはどれが本当だったか、、、

わかります、この感覚!

ヒデボーさんの情報は、
劇団「風の子」でした。

コメント、ありがとうございました(^^ゞ。

投稿: ののか | 2006/09/18 00:19

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