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2006/10/19

夕げの支度に思う

夕方の5時過ぎに、セミナーの案内を配って歩いた。この頃は日が暮れるのが早い。薄暗いうえにあまり知らない町内を家のポストを確かめながら歩くのは、骨の折れる作業である。がしかし、面白い発見があった。

それは、夕げの支度をしている家の玄関先に立つと、その日の献立が匂いでわかること。炊き込みご飯とかグラタンとか、カレーとか揚げ物とか煮物など。私は、もしかしたらチラシ配りを不愉快に思う人がいるかもしれないと用がすんだらすぐに立ち去るようにしたのだが、献立を想像しながら家の中を覗き込みたくなる衝動にかられた。その時間になっても留守らしく真っ暗な家もあったりすると、これから帰って食事の準備じゃくたびれちゃうだろうなあと思ったりもした。同じ町の中にも、いろんな人が住んでいるものだ。ポストごとに、様々な家庭があるのである。

普段から配達を仕事にしている人たちは忙しくてそんな感慨にふける暇はないだろうが、私は滅多にしないポスティングの間、そんなことを考えたのだった。

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