スイッチ
昨日の夕方のこと。我が家は近所の街医者でインフルエンザの予防注射を毎年受けているのだが、今年はうっかりして昨日まで忘れていた。カレンダーをめくってうかうかしているうちに11月ももう3分の1がすぎようとしていることにピアノのレッスンの帰りに気づいて立ち寄ると、「今日の夜の6時までなら受け付けるが、それ以降はワクチンが足りなくなる。」とのこと。
ということで、家に帰ってお子たちに説明。疲れ気味の二人は逃げ回る。気持ちをやわらげようと買ってあげたデカビタCも効果なし。嫌な気持ちはわかるけどさ~、と説得。しかし頑なな気持ちが動きそうな様子は無く、私はとても疲れた。「ねばならぬ」スイッチが入ると、うまくいかなかったときの切り替えがとても難しい。丁度子どもたちからは叔母にあたる私の妹がそこで登場し、「そんなに嫌なら、なっちゃってからタミフル打てばいいのよ。あなただけ受けておいでよ。」と助け舟を出してくれた。私は神経が細いので、子どもがインフルエンザに罹るなんてことになると、その事実で参ってしまいそうなので「予防注射をうけなければならない」という考えにいってしまうのだけど、最初から受けないで済ませている人だって沢山いるのだから、それでもいいのである。
かくして私は「ねばならぬ」から子どもと自分を解放し一人で医者にゆき、痛い注射をしてそれから買い物をして家に帰ってカレーをつくった。昼間に面倒な面談が学校であり、精神状態がとても悪かったので、カレーを作るのを子どもたちに手伝ってもらいたかったがこれも拒否された。「ねばならぬ」ではなく「お願い」モードも通用せず。ついでに「ご米の用意だけはこんなわけで疲れてるからお願い」と母に頼んだが、ようやくカレーができるころに実家をのぞくと、母はソファーで眠り込んでおり、炊飯器のスイッチはいまだ入れられておらず…。私は情けなくなる。誰も悪くはないんだけど、私はくたびれ果てていたので怒りたくなった。それから水に浸したお米をうちに持っていってインダクションレンジで高速炊飯したけれど、40分かかった。仕方ないが、私はへとへと。7時40分に「ご飯ができたわよ~。」とお子たちに声を掛けて食卓のポットをどけようとしたら、嗚呼、がちゃ~んと落っことし…。最悪。涙が出た。ぎゃ~ぎゃ~喚いていたら子どもたちがやってきて、ああだこうだいいながらカレーをよそってくれたが、もう私は逃げ出したくなったので、さっさと食事をすませてウォーキングへ脱出。子どもたちはママを困らすと大変だ、と思ったらしく、風呂のスイッチをちゃんと入れて待っていてくれた。
学校へ行かねばならぬのスイッチは、今日から切ることにした。そうすれば息子は、楽になる。私も一旦、楽になる。つまらなくて死にたくなるような授業だったら、受けなくたっていい。心が死ぬよりはずっとましだ。のんびり休養しなさいな。はてさて、今日はどんな一日になるだろう。このところ、その日その日を暮らすのが必死である。思い通りにならない現実をのほほんとうけとめる、そういう心のゆとりが欲しいと心から願う朝である。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
ののかさん、おはようございます!
色々大変そうな様子です・・・。
「ねばならぬ」のスイッチ、私も入る事があります。
はい!私も「インフルエンザの予防注射」で、「ねばならぬ」スイッチが入りました。
午前中、私だけ先に接種して、「午後こどもの予約お願いします」と勝手に決めて帰って来ましたが・・・
帰って来た息子はムッとして「お母さんって図太いよね!!!!!」
・・・・・この言葉に私は落ち込みました・・・・・
このスイッチ、私も切っておけるようにしたいです。
投稿: かおちゃん | 2006/11/09 08:40
お疲れさまです。
学校ねぇ。まぁ、行かなくても卒業はできますから、なんて元教師が言っていいのかな。
子どもたちには、たまにはいいですよ。子どもたちもそうやって家事をやらなきゃ、と身にしみるのも。
投稿: トマス | 2006/11/09 20:56
かおちゃんへ。
コメントありがとう。
今晩は、昨日よりは少しましな精神状態です。
明日も穏やかでいたいなあ。
ふう~。
投稿: ののか | 2006/11/09 21:05
トマスさんへ。
あら~そうなんですか~卒業できるんですか~
いいことを教えてくださってありがとう。
今日も学校を休んだ息子は、お昼ご飯をひとりでつくって食べていました。
大きくなったもんだわ!と思いました。
投稿: ののか | 2006/11/09 21:06
お久しぶりです。
先月は子供相手の仕事で地方を回る機会がありました。
きかん坊ばっかり相手にして思ったんですが、子供を持つ親御さんって大変!ということです。
家事だけでも大変、子育ても大変。その上働くなんて・・・
昨日は学校の先生やってる友人と、コンサートに行ってお話ししてきましたが、やはりトマスさんと同じようなことを言ってました。
行かなくたって卒業できるし、高校や義務教育で勉強しなかった子でも、いつか本当にやる気になった子は、大検でも何でも受けて、大学に入るなり、自分に必要な知識なり技術を身につけて、本当の勉強をするんだし。それでいいんじゃないかと。
そういや、オレもよく学校サボった・・・
だいたいアレだよね〜
学校で勉強したことで将来役に立つことなんて、ホント少ない。
でも、学校でしか学べないことだって確かにあるんですよね。それが何なのかって学校側に考えて欲しいところなんですけど、そういう余裕もないのが現状のようです。
子供たちは独りでに、将来そうなるように育ってゆくものだと思います。大人たちはその手助けをしてやることしかできないのではないかということを考えました。
投稿: 風船 | 2006/11/10 11:20
風船さんへ。こちらこそお久しぶりです。地方へお出かけでしたか。お疲れ様でした。
心豊かな風船さんのコメントを読んで、軟着陸したような気持ちになっております。ありがとうございました。
モーツァルトの調べを私も心に流そうかしら~。気持ちが楽になれそうだな~。
投稿: ののか | 2006/11/10 22:29
>思い通りにならない現実をのほほんとうけとめ>る、そういう心のゆとりが欲しいと心から願う>朝である。
こんにちは。ウチは長男が言葉遣いが荒くよその子を傷つけるそうで...その親から直接色々ご指摘が・・・。息子を怒ってもなかなか直らず..逆に『僕だってそんなこと学校ではあるのにいちいち親に言いつける奴とは遊ばなきゃ良いんだロッ!』と..。長男は次男と違ってとても親からすると弱いから強がるって所あって爪噛みも酷いしね。上の子にはホントに神経すり減ってきます。
ワタシはA型のせいか子供を思った枠にはめ込もうとして追い込んでしまうところがあるのかな~
子育ては自分育てにも繋がりますね。お互い頑張ろうね。適当に・・といいたいところですね!
投稿: まみ | 2006/11/11 15:17
まみさんへ。
まみさんは、男の子がお二人なんですね。
それもまた、大変そう…。
適当に、が真面目な私には難しいんですが、お互い頑張りましょう。
コメントありがとう。
投稿: ののか | 2006/11/12 07:15