風に吹かれて「フラガール」
今日は小学校5年の息子と一緒に、電車に乗った。小さい頃はいつも、先頭の車両に乗って運転手の運転と行く手に伸びる線路を眺めたものだったが、最近は全然。だから久しぶりに息子と一緒に先頭車両に乗り、心ときめくひと時を過ごした。~線路は続くよどこまでも♪
やがて息子は無口になって、じっと線路を眺める。私は運転手に向かって線路から白い旗を振る人を見る。作業員の人たちの生活を思う。合図があると作業の手をとめ線路脇にどく。その脇を轟音をたてて電車が通り過ぎる。恐怖の瞬間。しかしそんな生活もやがては慣れて、日常になっているのだろうか。
まもなく電車は若者の集う街に着いた。そして私たちは映画館に急いだ。強い風に吹かれながら、雑踏をぬうように走る。映画館内は飲みもののみOKだったので、ジンジャーエールとペプシを買って席に着いた。「フラガール」春の大感謝上映はほぼ満員。映画は予想通りの展開だけれど、あたたかい涙を流すことができて、私の心はさっぱり。いや~よく涙が出たなあ。観客にはリピーターが多いと聞いていたが、初めての人たちも多かったようだ。かくいう私たちも初めて。息子は泣かなかったそうだが、私は2度の別れのシーンでは泣いた、泣いた。それからラストのフラダンスのシーン。このごろ年のせいだろうか、涙腺が弱っているようだ。
こんな一日。家路を急ぐ間強い風に乗って、梅の香りと沈丁花の香りが私たちを吹き抜けていった。
追記:「フラガール」は福島県いわき市の昭和40年が舞台。実話である。炭鉱がすたれてきたときに、町を建て直そうと計画された「ハワイアンセンター」。目玉は炭鉱の町に暮らす女たちのフラダンスだった。40年を経た今でも「ハワイアンセンター」は繁盛している。その名も「スパリゾートハワイアンズ」として、われわれはもちろん温泉を楽しみハワイ気分を味わえるのである。
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