猛スピードで母は
昨日は朝から、読んだことも無い小説の題名を繰り返し口にした。芥川賞をとった『猛スピードで母は』は気になるタイトル。シングルマザーとこどもの話だということは知っている。いい機会だから、今度ぜひ読んでみよう。
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昨日の朝は、いつもと同じように慌しかった。私は支度が遅い子どもたちに腹を立てながら、またガミガミ言っても気分悪いし、なんかいいアイディアはないかなと考えてみた。そこで頭に浮かんだのがこの本のタイトル。私はそこでいちいち自分の行動を文章にして言ってみた。「猛スピードで母は食事の支度」、「猛スピードで母は子どものランドセルを運ぶ」、「猛スピードで母はフレッシュジュースを絞る」、「猛スピードで母は髪を結わえてあげる」…。なかなか悪くない。やたらにせかすよりは、子どもたちも私も少しゆとりをもてる。少し客観的になれるのがよいのだ。こんなふうに、昨日はイライラが和らいだ有難い朝だった。
普段から私のことを気にかけてくれる妹が顔を出し、寝床にいる息子の話し相手になってくれたのも助かった。遅刻はしたが、笑顔で息子は登校。私は校門まで見送ってから家に帰り、弁当を支度して自転車に飛び乗り、猛スピードで職場へ。9時には間に合ったけれども、湿度が高いので汗がなかなか引かなかった。子どもがすんなり登校さえしてくれればもっと余裕があるのに、と言い訳をしたい私は、いつもぎりぎりの出勤。猛スピードなのだ。
図書館の仕事は好き。本の間にいるだけで、嬉しい。静かな雰囲気も気に入っている。しかしもうひとつの楽しみは、ランチタイムのおしゃべり。仕事をするのは日々の糧を得るためだけでなく、いろいろな価値観を持った人と関わって視野を広げるのにも役立つ。たわいもない情報交換でも、教えられることは多い。昨日は上司が、終日出張で不在。デスクはいつもの緊張感がなく、楽だった。私はどうにか膨大なリストのチェックをやり終えた。大分目を使ったけれど、終わってよかった。偉いぞ私。
パートの私はあがりが早い。キャンパスに4時半を告げるチャイムが鳴ると、他の人に挨拶をして職場を出る。昨日は丁度、雨が降り出したところだった。あいにく購買部はもうしまっているから、傘を買えず。仕方ないから濡れていく覚悟を決めて、自転車置場に走る。土砂降りではないので、なんとかなりそう。私はタオルでサドルとハンドルをよく拭いて、出発。急坂を走り下りる。この道なら傘をさして自転車を運転するよりは、濡れても両手でしっかりハンドルを握るほうが安心。しかし、濡れた髪から雨が目に入る。こんなに雨に濡れるのは久しぶりだと思いながら、私はまた猛スピードで泥道を運転。家にたどり着いて、雨と汗でぐしょぐしょになった体を実家のシャワーでさっぱり流す。風呂上り扇風機にあたったら、いい気持ち。私はそのままおやすみモード。珍しくせんべいとコーヒーを出してくれた母に感謝。たまに優しくされると、嬉しい。
しかしひと心地ついたところで私は、食事の支度。こどもたちは下校後積み木とお人形で遊び、ついでに誕生日まで秘密にしておくつもりだったCDを見つけ出して聴いたり、仲良く遊んでいたようだ。私は雨の為買出しには出ず、有り合わせで献立を考える。それでも豊かな、季節の食卓。今日も笑顔で台所であった。しかしさすがに食卓についたら疲れが出て、憎たらしい口をきいた娘をすねさせてしまった。反省、反省。息子のとりなしですぐに仲直りできてよかったが。
ああ、サントリーのザ・プレミアム・モルツを飲みたいと思うが、まだ買っていない。週末には試してみるぞ!評判の味。ビールについてはいつも、どこが美味しいの?と子どもたちに尋ねられる。この美味しさは大人になったら分かるよ、としか今は説明できない私である。食後は歌番組を見て、だらだらして、のんびり寝た。慌しい一日であったが、無事に終わってよかった。週末は、久しぶりにゆっくり過ごそう。
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