素晴らしき哉、人生!
昨日はのんびりと過ごした我が家。夜になって私はこどもたちと一緒に、「素晴らしき哉、人生!」を見た。
病院で付き添っているとき娘から「神様は男?それとも女?」「神様に髭はあるの?」と訊かれて返答に困った私であったが、この映画で神様は冒頭声だけで登場する。神様はクリスマスの夜多くの人の祈りに登場するジョージのことを救うため、翼のない天使を地上に送る。神様は天使にジョージが今人生最大のピンチに見舞われ自殺をしようとしていることを告げ、彼を救うことができたら翼をあげようと約束する。そして天使に、ジョージが歩んできた人生を紹介する。
ジョージの人生は誠実で一生懸命ながらも、挫折の多いものだった。大人になったら世界を旅してでっかいことをなしとげるという夢を持っていたジョージは、持ち前の知恵と誠実さをもって伸びやかに成長するが、家業を継ぐことを余儀なくされ小さな町を出ることが出来ない。彼はささやかな幸せに甘んじ、4人の子どもと妻と共に昔はお化け屋敷と呼ばれた家を改築して暮らしている。しかしクリスマスの夜、会社の突然の経営危機に見舞われ落胆し、酒をあおって帰宅し妻や子どもたちに八つ当たりしたあと、絶望して雪の中を飛び出していく。そして自殺するために川に飛び込もうとしたとき、先に飛び込んだよぼよぼのおじいさんを持ち前の正義感で救ってしまう。よぼよぼの天使は先に川に飛び込むことで、まずはジョージの命を救った。そしてそれから「こんなことなら生まれてくるのではなかった。」と人生を嘆いているジョージに、もしもジョージが存在しなかったらどんな世界になっていたかを見せるのである。そこは人間の信頼関係が存在しない、殺伐とした町だった。ジョージはこれでもかこれでもかと自分のいない世界を見せ付けられ、心から「メリークリスマス」を言うことのできる自分を取り戻し現実の世界に戻っていく。そこに用意されたラストの奇跡が素晴らしい。
友のいる人間に敗北者はいない。この映画が送る温かいメッセージを受け取って、私たちは満たされた気持ちで眠りについた。
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コメント
私自身はこの映画を中学生になったばかりに観ました。当時近くのお寺での「日曜学校」でみせてもらったのです。
スクリーンを通して、世の中に必要とされていない人間はいないことを教えられました。
ひるがえって"自身が今何を為すべきか!"を考える手立てになったように思います。
ところで新しいところではイタリアのトルナトーレ(取るな!取れ!って言うてたおバカ友人がいました)のものも家族や世代の繋がりを描いていていいですよ。"ニュー・シネマ、、、"や"みんな元気"なんかはハンカチ用意してや!
投稿: sada | 2007/09/09 15:29
sadaさんへ。
「ニューシネマ…」のラストは、何度見ても涙が出ますね。音楽だけでもう私は駄目です…。
「素晴らしき哉、人生!」は大変子どもも私も気に入りました。コメディばかりでなく名作を子どもと一緒に楽しめるようになったんだなあと、嬉しくなりました。いい映画の紹介、ありがとうございました。
投稿: ののか | 2007/09/10 07:57