哀しみの黄色いバンダナ
金曜に久しぶりに学校を休んで、息子はのんびり過ごしたようだ。そして昨日の土曜も、せっぱつまった用事はないのでともかく耳鼻科に連れて行こうと、私は鼻炎のある息子を娘と一緒に車に乗せて、家を出発。しかし、どこもかしこも休みなんだな?変だ変だと思っているうちに、ニュータウンにまで来てしまった。午後の診療のある医者を見つけたので、まずは腹ごしらえと思いお洒落な店にはいった。店にはなまずがで~んと水槽に鎮座しており、その横で厳かな気持ちで大盛りのスパゲティを食べた息子、大満足の様子。娘もデザートやジンジャーエールが気に入り、まずまずのご機嫌。平和な土曜だ。感謝感謝。
ところが、店を出て医者に行ってみると休みである。なんでだよ~、訳わかんね~と思ってよく考えたら、土曜日はタダの土曜日ではなく、文化の日だということに気がついた。祝日だからこんなに出店が出て、街は賑やかなんだなあ。ということで、診療を受けることは諦めて、われわれは郊外型の園芸店でパンジーを2ケース購入。収穫がそれなりにあった午後だった。
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家に帰って、そろそろ明日の修学旅行の準備をしようと、私ひとり持ち物表をチェック。上履きと上履きいれは学校にとりに行く必要があるので、職員室に連絡。学務主任の先生はその日も出勤しており、快く荷物の引渡しをしてくださった。「僕も参加しますから、息子さんに、待ってるよ、と伝えてください。」と笑顔で言われる。暗くなった校庭を出るとき、参加するかしないかわからない旅行の準備のため、ひとりてくてく歩いて買い物したりしていることに、悲しい気持ちになる。
そして大体必要なものを揃えて、手早く夕食。しかし、忘れ物に気づく。酔い止め薬だ。ニュースでやっているように、日光のいろは坂がいくら紅葉がすばらしくても、車酔いしては楽しめまい。私は夜でもあいている薬局を調べるべく妹に電話。すると「今すぐ家の薬を持っていってあげる。」と言う。何もそんなことまでお願いしてないから悪いわ、と思ったのだが、妹は超特急で駆けつけてくれる。なんと弁当のおかずまで手に持って。手作りの肉じゃがと鳥の照り焼きは美味しそう。息子は夕食の途中だというのに、「うまそうだな。」と試食している。「おっ、やっぱり修学旅行に行くつもりか?」と私は期待してしまう。
それからとっとと風呂に入れて、子どもたちを寝かすために絵本を読んだ。しかし心の中は不安でいっぱい。なぜか、学年カラーの黄色いバンダナが、見つからないのだ。私の片付けられない症候群がすべての原因であるが、なんともこんなときになってまだ見つからないとは。ああ、哀しみの黄色いバンダナよ。お前は忘れた頃に、きっと見つかるのだろう。そして私の息子は、頑なな気持ちは変えないまま、今日は修学旅行ではなく、いつもの日曜と同じように、教会に行って楽しく過ごすのだろう。
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