映画「Shico」
マイケル・ムーア監督の映画「Shico」(←ここをクリック)をDVDで鑑賞。私は10年以上前に海外ドラマのERを見始めて、アメリカの医療現場で治療に保険がきくきかないっていうのがかなり大きな問題なのだなあという認識しかなかったので、現在のアメリカの抱えているイカレタ問題(医療保険に加入していても、保険会社が茶々を入れて正当な医療を受けられずに命を落とす人があとをたたないということなど)を知ることが出来た。
弱い人間は、立ち上がる力もない。泣き寝入りするしかない。弱い人はどこまでも虐げられる。不公平もいいところである。今のアメリカで病気になったら、大変だ。絶望するしかない。9.11テロの救助員たちは、助け合いの精神で身体をはってグラウンドゼロで働いた。しかし、そこで受けた健康被害(メンタル、呼吸器疾患)をカバーする保険は、どこにもない。国に見捨てられている。公務として救助に参加した消防隊員ではなく、ボランティアで参加した人たちのことである。彼らは病気のため仕事を辞めざるを得ず、生活苦にあえぐ。
カナダやイギリス、フランス、そしてキューバ。国民皆保険の国では、医療費はタダだから、安心して希望を持った生活をできるのに、アメリカでは病気になったら損するだけ。医療費の払えない入院患者は、病院がタクシーに乗せて、貧民街に捨てに行く。世も末である。
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コメント
キューバの医療制度のすばらしさは聞いていたけれど
これほどまでとは思いませんでした。
ゲバラの娘さんが出てきてましたよね。
あと、カート・ヴォネガットに捧ぐ、だか
そんな言葉がちらっとエンドロールにありましたっけ。
貧困とは何なのだろうと考えさせられたのを思い出しました。
投稿: ikko | 2008/04/25 10:54
ikkoさんへ。
面白い映画ですよね。切り口がいい。マイケル・ムーアの今までの作品よりもずっといいですね。
どんな環境でも助け合いをできる信頼関係というのがどれだけ人々を救うか、そういうことを私は考えさせられました。
投稿: ののか | 2008/04/26 08:06