みちでバッタリ
これは、岡真史という12歳で自殺してしまった詩人の詩のタイトルである。収録されているのは、『ぼくは12歳』という有名な詩集。私はこの詩だけはずっと以前から知っていて、とても純粋でいいなあと思っていたのだが、先日古本屋でこの詩集をみつけて買ってきた。12歳といえば、息子と同じ年だなあと思って。
読んでみると、彼の感性がそのまま伝わってくるような詩の数々。惜しい。この人がなぜ死を選んだのか、遺された親たちはノートに書かれた詩のむこうに、何を思い悔やんだのか。あとがきは母親、父親によって書かれている。私は母親だから、特にこの詩人の母親の文章を読むと胸が痛くなる。遺された親の悲しみ、後悔が伝わってくるからである。
そして私は考えた。私は息子の心の中を、とても知りたいと思っているけれど、いくら血が繋がっていても息子は私とは違う人間なのだから、知りたいと思ってもわからないのが当たり前なのかもしれないと。反抗期を迎えた子どもが心を開かなくなって、不安や焦りを感じない親はいないだろう。しかしやがて時が過ぎ大人になったわが子を見て、ああ、いつのまにかひとまわり大きく成長したのだなあと、親たちはみな思うのであろう。だから、死なないでほしい。生きていてほしい。私の子どもたちがどんな理由があろうとも自分で死を選ぶという残念な選択をしないように願う。昼間にどんないさかいをしたとしても、夜にはすやすやと子どもたちが眠る寝息を聞いて、ああ幸せだと思っていたい。
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