四つの嘘
友人に本を貸した代わりに、こんなのもあるよ、と貸してくれたのが大石静の『四つの嘘』。ちょうどドラマが先日最終回を迎えたところだが、私は見ていないので、何の先入観もないまま読み進み読み終わった。
内容は、40代にさしかかったころの4人のもと同級生の女性たちの物語なのだが、かなり壮絶な内容なので、これが新聞小説だとわかり?これを電車の中で読んだ産経新聞の読者は、ちょっと周囲を気にしながらじゃないと読めない場面も多かったろうと思った。
私は大石静は、特別な人生を歩んできた女性だと思うし、才能豊かな人だと思う。娯楽性に富んだドラマを数多く生んできた彼女は、人生の地獄を何度も垣間見た人間でしか書けない痛烈な視点を持っていると思う。
私はどなたにでもお薦めできる本とは正直言って言えないが、女性ならこの4人の心理にそれぞれ感情移入することができるのではないかと思った。あなたならどうする?とギリギリに追い詰められた時、どの道を選択するかは「魔が差す」といったようなことで決まってしまって、ああやっちゃった、と思っても後の祭り。その後の人生が決定づけられるということも、酸いも甘いも知ったような年齢にさしかかればみな思い当る事だから。
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