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2009/01/19

ごらんよ空の鳥

私がよく買い物に出かけるスーパーのそばに、十文字屋というさびれた小間物屋がある。看板は錆びており、店番をしているのが誰なのか、私はいまだに知らない。買物客の姿を見たことがない。開いていたり、開いていなかったり。店の外には壊れた牛乳の自動販売機が数台と、ガチャガチャが置いてある。ガチャガチャが目当ての子どもたちが店の前でガチャガチャしているのは、よく見かける。住居を兼ねたその建物の隣には、物干し場とちょっとした駐車場がある。その一角に、大きな柿の木が立っている。

私はその柿の木のことが気になるので、秋になるとよく眺める。何しろ人気のないその店のことだから仕方ないとも思うが、秋になると柿が沢山の実をつけるのに、収穫されたことがない。あの柿はこのままどうなるんだろう、と私は冬が来てもぶらさがっている沢山の柿の実を眺めながら考える。鳥も食べないから渋柿なんだろうな、とか一体いくつあるんだろうとか、想像をしながら通り過ぎる。だが冬の間にいつの間にか柿の実はなくなっている。誰がどうやってあんな高い所の柿を収穫したんだろうと、不思議でならない。それは今まで謎だった。

しかし今年は、謎を解くのにちょうど良いタイミングで、私はその場所を通った。あたりの道路は一面、柿の残骸でべたべただった。あれだけぶらさがっていた柿の実は、あと数個に減っていた。そうだ、柿の実をとったのは、餌に困った鳥たちだったのである。たわわに実った柿の実が、毎年どれだけの野鳥の腹を満たしてきたことだろう。そして今年も、野鳥たちはこの柿の木のおかげで、空腹を満たすことができたのだ。ああそれにしても、このべたべたの道路は誰が掃除するんだろう?という新たな疑問もわいたのだが。

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そこでふと思いだしたのは、♪ごらんよ空の鳥 という歌。わたしの愛唱歌である。女学生のころよく学校で歌った。神様と自然の恵みと、寂れ果てた十文字屋に感謝。。。

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