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2009/07/11

ゆっくりていねいに

最近図書館で借りてきて読んだ本は、こちら↓。

発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい (シリーズ ケアをひらく) 発達障害当事者研究―ゆっくりていねいにつながりたい (シリーズ ケアをひらく)
綾屋 紗月

医学書院 2008-09
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人間がひとりひとり違うこと。これは自然なことだし、すばらしいことである。みんなが型抜きクッキーのように同じだったら、気持ち悪いしつまらない。しかし、感覚が違う人と生活するのには工夫が必要だ。相手のことを理解したいし、自分のことを理解されたいと思うのが、家庭や学校や社会などで生活するうえで人間として当たり前のことだと思うけど、その認識の仕方が全然違う人のことを私は、今までわかりたくてもわからなかった。 例えば、目が見えない人の状態を想像するために目を閉じること、これは私にはやろうと思えばできること(但し短時間だろうけど)。耳の聞こえない人のことを理解しようと、耳の穴を塞ぐことは、できないことではない。だけど、発達障碍の人を理解するためには、どうしたらいいのだろう。感じ方が違うのだから、本当にそれは難しいことだ。 わかりたいけど、わからない。わかってもらいたいのに、わかってもらえない。そんな苛立ちを抱えて、私はずっと暮らしてきた。そんな私に、この本の著者はゆっくりていねいに、アスペルガー症候群やそのほか自閉症圏の人々の特徴を、当事者の言葉で教えてくれた。当事者が研究するとはどういうことか、読んでみるまでわからなかったけど、読み始めると確かに研究として役立つ本である。読み物としては、たぶんだいぶ読みにくい。著者は結局「ゆっくりていねいにつながりたい」と人とのコミュニケーションについて願っているのだけれど、著者の用いる「ゆっくりていねい」とはまさになるほど、適格な表現だと思う。この本を読むにも、私にはゆっくりしかできない。なぜなら感覚があまりにも違うから。これだけ感覚が違ったのか!という驚きもあるから、衝撃を受けるたびに休憩をとる。発達障碍の人の感覚を理解しようと思ったら、本当に時間をかけて、感情をぬきにした研究だと思ったりしながらの方が、ずっとうまくいくと思った。毎日一緒にいて理解不可能な場面に出くわすたびに冷静になれ!といっても、難しいから、距離をとるとか仲間を作って勉強会をするとか、そういう方法も大切だと思わされた。とにかくこれは、画期的な本だと思う。「わからない」辛さを抱えているのは、当事者とかかわる周囲の人々だけではなく、当事者こそ毎日混乱と困惑の中で必死に頑張って暮らしていたのだ!ということがわかった衝撃も、私には大変大きかった。

当事者の綾屋紗月さんと、熊谷晋一郎さんの共著、というところも、大変興味深い。興味のある方はぜひ。

さて、↑ この本を読んで思いだす本は、こちら↓。

ぼくには数字が風景に見える ぼくには数字が風景に見える
古屋 美登里

講談社 2007-06-13
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この本を読んだ時、私は安らぎを感じた。当事者としての不安よりも、安心の方が伝わってきたから。

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