♪夜空
夜中に起きて、屋根にあがり、星空を眺めた。オリオン座流星群は、昨夜がピークとニュースが伝えていたのである。
街の明かりは私の若いころよりさらに明るくなり、星空を見るには邪魔である。 私は「ちいさいおうち」になった気分
バージニア・リー・バートン
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そこで私はフードのついた上着で視野を調節して、暗い夜空だけをみあげられるようにした。それから小1時間屋根に座って夜空を見上げていたが、流れ星は観察できず。残念だった。 しかし代わりに、若い日に屋根にあがり、空を眺めて感じたことを、久し振りに思いだした。
あれは高校生のころだったか。夜中の試験勉強が行き詰まり、もう駄目だと絶望的な気分のときに、ふと屋根からの景色を眺めたくなり、屋根の上に出たことを。時刻は明け方。それは冷たく澄んだ空気のなか地平線が赤く染まり、まさに夜が明ける瞬間だった。澄み渡った空には、明けの明星がキラリ。その時私は、「私なんて自然からみたらちっぽけな存在なんだ。私の悩みも、ちっぽけなものなんだ。」と思えて楽になったのだった。あれから何十年もたって、同じ場所で夜空を見上げられる幸せ。それから、不安から解放される感覚を思い出せて、心からありがたいと思った。
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