マイ・ライフ
忙しい年末だというのに、早朝覚醒してしまった。朝4時。合宿から帰った息子が、一晩じゅうPCで何やらしていたらしく、階下で起きているので声をかけやすませたのだが、私は寝付けなくなってしまった。息子は今日明日と冬期講習で塾に行くというのに、寝不足でのぞんでも大丈夫だろうか?どうやら年内にと目標をたて、うちのPCで何かのプログラミングをしているらしい。健康も心配だから注意したいけど、すればするほど反抗するだろうから、気の済むようにさせて見守り、今朝なんとか気持ちを落ち着けて時間になったら優しく起こしてやろう。不登校の息子が大好きな先生のいる塾だから、寝不足で起きられなくて休むことになったら、とってもがっかりするだろうから。この子にはそういうフォローが、とても必要なのだ。
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こんな朝、子どもたちが起きる前に有線放送で見たのが、この映画。
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あ~泣けた泣けた。感動した。年末見納めかもしれない映画が、この一本でよかった。感動作と名高い映画だが、私はいままで見たことがなかったのである。 内容は、余命数カ月と診断された男が、生まれてくる初子に自分の生きた証を残そうと、自分の人生をふりかえりながらメッセージのビデオを残す話。
デトロイトで貧しい家庭に育ったその男は、幼いころから賢く夢の沢山ある人間だった。しかしある時から、家族を否定して生きるようになり、生家を飛び出すようにロサンゼルスに渡った。やがて名前を変え人生の成功者となり美しい妻に恵まれ、彼は夢をかなえ何一つ曇りのない人生を送っているように見えた。しかし、病魔に侵され生まれ来る子どもの顔も拝めないとわかったとき、見えなくなっていた自分の心の旅を彼はするのである。
なぜ家族の名前を捨てたのか?なぜ父を毛嫌いするようになったのか?仲が良かったはずの弟をロスに呼び寄せようとしたのに、彼が故郷に帰り父の家業を継いだことで決別してしまったのはどうしてなのか? 私の心に残ったのは、弟の結婚式のために10年ぶりに実家に帰った男が、病気のことは誰にも言わずに生まれる子のためと言ってビデオを回し続ける姿。目の前では、かたい絆で結ばれた親族たちが、お祝いのコサックダンスを踊っている。輪に入らないようにしていたのに、誘われて一緒にダンスを踊る男。しかし夜には、また父や弟と諍いを起こしてしまう。その夫の姿に、心を痛める身重の妻。彼は愛しているのに、なぜ家族に背を向けてしまうのか?心のゆがみは、いつから起こったのだろうか?
私は昨年父を亡くしているので、ラスト近く、男が自分や父親を許すシーンには涙が止まらなくなった。父親を憎んでいるのに、いつの間にか父親の姿に似た仕事人間になっていたことを自覚する男。「小さい時父さんが仕事でいなくてさびしかったけど、父さんは一生懸命頑張っていたんだね。愛しているよ、自分を責めないでいいんだよ、悪かったのは自分なんだから。」こういう言葉を父親に言うことができて、その気持ちを伝えることができて、本当によかった。しがみついていたこだわりを捨てて、自分や親を許す。それは死の目前になってやっとできたことだったけれど、このことでやっとこの男は、幸せに天国に行くことができたのだと思う。
しばし感動の余韻にひたり、この文章を書いている私。今年も残りあとわずか。今日もできる限りのことをしたら、それ以上無理をしないことにしよう。と、いつも自分に甘い私。。。
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