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2010/09/04

修正液

私は小さい頃、暗いところが怖かった。恐怖漫画が怖かった。テレビで見たヒッチコックの映画「鳥」や「サイコ」、ドラキュラやフランケンシュタインも恐ろしかった。父から暗い部屋で話してもらった「牡丹灯籠」も怖かった。映画「エクソシスト」や「キャリー」などは正視できなかった。

中学にあがっても、暗い夜道が怖かった。どこかの木戸がギィっと締まる音などがすると飛び上がり、街灯のあるところまで全速力走って帰ったり。近くのバス停から家までのほんの数十メートルすら怖くて、暗い時は必ず走って帰ったものだ。その頃世間では、横溝正史の映画などが、大流行だった。私はテレビで、あのおどろおどろしい世界にどっぷりつかって、わざわざ怖い思いをしたのだった。

しかしそんな自分には、妙な刺激を与えないことが大事っていうことも、段々わかるようになってきた。テレビで恐ろしそうな番組をやっていたら、わざわざ見ないことにした。「本当にあった怖い話」などというわざわざ恐怖心をあおり立てる番組は、自分には害だとわかったからである(→私はこういうものは子どもには見せないように育てた)。といいながら、友だちとホラー映画を映画館で見て、帰り路お腹がすいたからといってパスタ屋に入ってもミートソースは頼めなかったり。まあ試行錯誤で、いろいろあった。そうしているうちに大人になって、本当に怖いのは家に入ってくる虫とか突然現れるがまがえるぐらいになったのかな。

そして母となった今、わが家の一番の怖がり屋は小学校5年の娘。トイレもお風呂も、一人じゃまだ駄目。そういう時は依存心の塊なのに、反対に反抗する気持ちも強くて、今は思春期まっさかりの取扱注意のお嬢さんである。漫画を買ってきても、必ず恐怖漫画を読む。読まなきゃいいのに読むから、夜一層暗がりが怖くなる。何カ月もそんな状態だから、いい加減うんざりしていたら、今朝は違った。修正ペンを貸して、と言うのだ。何に使うのか聞いたところ、恐怖漫画の怖い顔を、怖くないように描きかえるのだそうだ。

おぉその手があったか。自分なりの方法で、これからも恐怖と闘って、たくましい大人になってほしいものである。

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