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2011/02/16

差別と偏見

さっちゃんの まほうのて
さっちゃんの まほうのて たばた せいいち

偕成社 1985-10
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新聞の見出しに「差別と偏見」という言葉があった。どうも、B型肝炎訴訟の問題の関連の記事である。一面トップだったので、その言葉だけが目立った。この問題については、私は大変興味もあり意見もあるのだが、それを見た息子が夕食後こっちに議論をふっかけてきた。要は、持論を聞いてもらいたのである。「差別と偏見」について。私は、今夜は走りたいな~明日雨だし、と思っていたが、よく考えたら免疫力が低下してるからやめておこうと計画を変更し、息子の話に付き合うことにした。…結構な激論になり1時間。へとへと。でも息子は話をたくさんできたので満足げ。

  私は母親から、こういう問題については非常に厳しく戒められながら育ったので、自分はたとえハンディキャップがある人を見かけても、じろじろ見たりしない人間だと思っている。当然自分の子たちにも、同じような考えを伝えながら育てたつもり。しかし、息子にはそれなりの考えがあるようで、もちろん大筋は私と同じだけど、親子でも意見の異なる所がたくさんあった。

 子どもたちが小さい頃一緒に読んだ絵本『さっちゃんのまほうのて』のことを息子がよく覚えていたので、さっちゃんの気持ちがどんなだったか話し合ったりした。大事なのは、ハンディキャップを持っている当事者。その気持ちが一番で、その家族は二番なんだよ。でも家族もね、とっても当事者よりも辛いときもあるんだよ、なんて話をした。

私は当事者ではないのである。「差別や偏見」を受ける当事者ではない。当事者と深く関わる暮らしをしていても、立場の違いがある。引き受けられることと、引き受けられないことがある。だけど他の人達よりはずっと、気持ちは当事者に寄り添っている。代わってあげたくてもできない。当事者とは違う立場で、同じ問題に悩み苦しんでいるのが家族なのではないかと、私は思う。

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