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2011/05/03

続・往復書簡

昨日の朝日新聞で、佐伯一麦から古井由吉にあてた手紙を読むことができた。古井から佐伯にあてた最初の手紙についての感想はこちら(→ここをクリック)

佐伯一麦は仙台市に暮らす作家だが、3月11日には外国からのお客人と露天風呂で温泉につかっていたそうである。大きな揺れがおさまってから宿のロビーに集められたそうだが、その後はずっと停電し、正確な津波の情報を映像として目にしたのは、震災から5日目のことだったという。それからしばらくは「言葉も壊れて押し流されてしまい」、「感情が真空になっていた」状態が続いたが、今は逆に様々な言葉と感情が溢れて収集がつかくなっているとのこと。

震災から2週間のころの佐伯さんが沿岸部の被害を歩いた時の記事には、「生死を分けた一線」という言葉があったけれど、今回の手紙には「運・不運とは言えない生死の境目」という表現が見られる。その他に印象的だったのは震災からひと月後に仙台市沿岸部を訪れたときの、「灰褐色の『巨大な汐をかぶった湿土』」という表現。これは、津波のあとを歩いた人にしか思いつかない言葉なんだろうと思った。あとに続く文章でそれは「ずぶずぶと悪臭を放つ光景が広がっているばかり」ともあった。

次回は古井由吉から佐伯一麦にあてた書簡が16日に掲載予定だそうだ。

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