何が最善か
3/11に地震があってから、最初に混乱がやってきました。計画停電があり、毎日をどうやって乗り切るかが大変でした。スーパーにいけば米や牛乳のコーナーにものがない、ガソリンスタンドは長蛇の列、テレビでは繰り返し悲惨な津波の光景が流され、福島県にあったということすら知らなかった原子力発電所が危機に瀕しているというのですから。
パニックでした。「直ちには健康に被害が出るようなことはない」という枝野さんの言葉を信じて、関東に住んでいる私は家族とともに日々の生活を送りました。でもショックからか、やたらと転んでしまったり、ニュースに反応して涙を流したり、心の平安はなかなか取り戻せなかったと記憶しています。
だんだん世の中が、変な雰囲気になってきました。外国人がさっさと日本を離れていったり、春休みを待たずに子どもたちを西日本の実家に避難させる家族が周囲に出たとき、やり場のない焦燥感が私を襲いました。どうやったら家族を守れるのか考えたけど、私にはすぐに行動出来る力はありませんでした。
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あれから4ヶ月が過ぎ、私は日々小さなことに対応しながらとりあえず健康に暮らしてます。今のところ、家族は健康です。私はようやく、難しい本も読めるまで落ち着いてきたようです。
これは手に入れたもののなかなかとりかかれなかった本の一冊です。読み始めたら、一日で読めました。…「今の私」に繋がる本です。私が人生で、たぶん最も影響を受けた方の自叙伝です。私はまた再び本を読めるようになってよかったと自分のことを思うし、何十年も前に出会った師に、この本を通して再び救われた気がしました。
心の闇を乗り越えて―私の歩んできた道 | |
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2011年のまもなくお盆というこの時期の日本では、地震で被害を受けた方々の心身のケアは大切、被災した方々が日常を取り戻すことも大切、行政がしっかりすることも大切、まだ収束しないフクシマのために日々働いている人たちのために祈る事も大事。だけどなにより私という個人の問題としては、これまでの人生を通して自ずと備えてきた総合力を発揮して、あふれる情報を精査し、「何が最善か」を考え日々行動することが一番大切と思えるようになりました。
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