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2012/01/11

♪さよなら

おじいちゃんがおばけになったわけ
おじいちゃんがおばけになったわけ キム・フォップス オーカソン エヴァ エリクソン

あすなろ書房 2005-06
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読みたかった本が、早々に届いた。読んでみると、人間の死について、小さい子にもわかり易く書かれた絵本であることがわかった。人生の終わりは寂しいものだけど、お別れが言えれば一番いい。しかし突然の死の場合、このおじいちゃんみたいに、あとから「さよなら」を言いにくることになるのかも知れない。

この絵本で書かれていたことを読んで、私はすぐに朝日新聞の「おやじのせなか」というコラムで(1997)養老孟司が書いていたエピソードを思い出した。 幼少の頃父の臨終に際し別れの挨拶を言えなかったことが、どれだけその後の自分の行動に影響したか。40代になって突然そのことに気づき、地下鉄で涙を流した話は、私の心にずっと残っている。このエピソードはその後、ベストセラーになった本にも収録されている。

そういう意味で、この絵本の主人公のエリックは、おじいさんがおばけになってやってきて、夜な夜な一緒に捜し物をできたことは幸であった。その忘れ物は、実は愛する孫・エリックへの「さよなら」だったとわかったことで、エリックのそれからの人生はより愛に恵まれたものになったに違いないから。

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コメント

ステキな本ですね。私も手に入れることに決めました!

投稿: ikko | 2012/01/12 09:51

ikkoさんへ。「婦人之友」の新年号の対談の中で、中井貴恵さんが紹介していた絵本です。
大切な人と死に別れてしまい悲しみのどん底に落ちてしまったとき、これから先も生きて行かねばならない人はどうしたらいいのでしょうか。そのヒントを、この絵本は教えてくれると思います。
愛する家族、大切な人のことをずっと忘れないこと、一緒に過ごした時間や思い出を大事にしていくこと、それが明日を生きる力に繋がるのではないかと。素敵なメッセージがつまった絵本に出会えて、私は幸せです
私はできることなら、大切な人に「さよなら」と挨拶をしてから天国に行きたいですが、できるかどうかは神様にしかわかりません。ですからせめて生きているうちに気持ちを言葉にして、大事な人には伝えておきたいと思いました。

投稿: ののか | 2012/01/12 12:57

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