私が大学の4年の年の4月に、チェルノブイリの事故が起こった。当時の私は遠い国のことながら怖い事故だと思ったが、兄がくれたこの本を読み危機意識を高めたのに、卒業旅行でヨーロッパに行ってしまった。女子大生ブームで猫も杓子も海外旅行のような時代だったとはいえ、行き先をヨーロッパにするとは、なんとも間抜けな話である。当時私が回った国は、放射能の被害を受けていた地域だったのだ。私はひととおりこの本に目を通し原発の危険や自分への影響をわかったつもりになっていた。でも全然わかっていなかったのだ。口を酸っぱくして兄が「スパゲッティは食べるな。原料の小麦粉は汚染されてる。」と言っていたのに、大袈裟なことを言うから奥さん苦労するだろうなぁという認識だったのだから。今東京に住んでいて、新聞やテレビの言うことを信じたがっている人たちと同じである。
チェルノブイリの事故後も日本はしばらくバブル景気で、ヨーロッパのワイン、ジャムなどが売れば売れるほどもうかるような感じだった。今福島県の売れなかった桃をタイに日本が輸出しているように、チェルノブイリ後ヨーロッパで売れなくなったものを危機意識の薄い日本で売りさばいていたのでは、などと、古今東西もっぱら国家が嘘ばかりついている(たとえば放射能は怖くないといった洗脳)のがわかってくると勘繰りたくなる。
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ここ九州では、大半の人たちが危機意識がないまま連休を迎えようとしている。福島のことが遠い昔のどこかのチェルノブイリと同じような感覚でいる人たちが、身に迫った危険に気づかないのは、本当に恐ろしい。首相が冷温停止宣言をしたから、福島の事故が終わったと本気で思っているのだろうか。知らないということは恐ろしいことだ。
しかしどうかわかってほしい。震災瓦礫はアスベストなどの有害物質が付着しているし、放射能にも汚染されている。だから現地処理が原則。わざわざ遠い九州まで輸送費を100億円もかけて運んで燃やすなんていう愚かなことを行うというのは、復興支援ではない。100億円あったら、福島の子どもたちを少しでも安全なところに避難させられるだろうに。冷静に考えればわかるはずだ。石巻と北九州は1000キロも離れているから、海上輸送までして、なぜ?先日放送されたNHKスペシャル「シリーズ東日本大震災 復興予算19兆円」で、ニッポンのおかしなからくりに気付いた視聴者がいるだろうと思うけど、本当に今の日本は狂っている。連休が明ける前の17日から、石巻から運ばれ昨日北九州に入った震災瓦礫が焼却され始める。最後の最後まで反対意見を訴えている人々の前に、市長は顔を出そうともしない。国が安全と言っているから、環境省が責任をとってくれると思っているのか、そういう答えに終始しているようだ。国が安全だと言っているなんて、水俣病のときだってそうだったんだから、今さらそんなの信じてどうすると私は思う。何かあったら誰も責任なんてとってくれはしない。
私は連休明けからは、九州で売っている野菜や魚でさえスーパーで気楽に買えなくなるのだ。少しでも安全なところへと大きな犠牲を払って移住した私のような者にとって、こんな恐怖はない。本当にどうしてくれるのだ(ピンとこない人はこちらをクリック→★ )。北九州は、八幡製鉄所=新日鉄の町である。まぁ九州とて危険な玄海原発に事故があったらアウトだけども、まだ大事故は起こっていないようだから、私はあきらめていない。少しでも長く子どもの命を繋がなくてはと思っている。
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とにかく、燃やしてからでは遅い。一旦拡散した放射能や有害物質は、どんなに除染してもなくなりはしない。子どもの体に入ったら、排出できない。少しだから大丈夫とはいうことは、絶対にない。
※ もっと知りたい人はこちら(45分の講演会・フクシマの現実と内部被曝)。
※※ 新潟県泉田知事の質問状(必見)
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