かぜのひきかた
正月や連休が終わり、世間は普段通りの生活に戻ったというのに、私は何か落ち着かない日を過ごしている。息子が未だこちらに滞在しているから家族団欒の時を持てるのは良いのだが、今後どう暮らしていくか家族でよく話し合わねばならないのに、それができずにいるから私は不安なのだろう。 生活時間が整わない息子とは、夕食時に顔を合わせても、なかなか核心に迫る話にまでいかない。十分に話し合いが済まないと、私は関東に息子を帰す気持ちにならない。1人暮らしをしながら受験勉強なんて、簡単にできることではないのだから。何カ月も頑張ったのは偉いと思うが、日頃の疲れがあるのか今は随分ここでのんびりマイペースに過ごしているのを見ると、息子がいっそこのまま引っ越してきちゃえばいいのに、と淡い期待を抱いてしまう。私が仕事で遅い日には、料理を温めて娘と一緒に食べていてくれるし、娘の勉強も見てくれるわけだから、彼さえここでの暮らしにいいなと思う要素を幾つか見つけてくれれば可能だと思うのだ。でも息子には息子なりの思いがあるのである。
ちょっとしたこの閉塞状況を打破するため、大学生のいる熊本のご家庭が我らを招待してくれたので、一緒に遊びに行こうと誘ってみたが、これは拒否された。人と会うのは苦手だそうだ。それなら「レ・ミゼラブル」観に行かない?と誘ってみたら、それは興味を示してくれた。なので明日の午後にでも、一番近い映画館に息子と出掛けられたらいいと思う。
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昨日は私は昼から図書館で、子どもコーナーの担当の人たちと打ち合わせをした。バレンタインのお菓子作りの後の展示は何にしようかという話し合いで、私は雪解けの季節の動物たちの本の紹介を提案した。頭に浮かんだのはこの絵本。冬の間土の中や木の葉の下で冬眠していた生き物たちが、春の訪れを教えてくれる黄色い花を目指して大挙して出てくる話。私はこの絵本が大好き。皆が賛成してくれたので、更にアイディアを膨らませて、楽しい展示ができそうなので良かった。
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詩についてもコーナーを作れたらいいね、という話も出て、私はわくわくした。だって、詩ってとても奥が深くて心を豊かにしてくれると私は思うからである。例えば絵本なら、私はこれが好きだ。
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また、この詩人(↓)の「かぜのひきかた」が好き、と教えてくれた人もいた。本当に詩というのは、私は書くのも読むのも好きである。味わいがあって楽しい。
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このように不安や迷いがあるときに、好きなことを語り合ったり思索を深めることで地に足がついた気持ちになれるのは、つくづく有難いことだなと思った一日だった。
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