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2013/02/11

個人的な体験

この頃なぜか、昔読んだ本が数冊、頭をよぎる。忘れていたような本なのに、どうしてだろう。たぶん今自分が直面している問題と、その数冊の本の内容が、ダブるところがあるからなのだろうと思う。その本を読んだ時に感じたことが、引き出しの奥にしまわれていたのに、今こうして姿を現すという不思議。

母の肖像 (新潮文庫)
母の肖像 (新潮文庫) パール・バック 村岡 花子

新潮社 1957-04
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『母の肖像』は、宣教師の夫と共に、アメリカから中国に渡った、パール・バックの母の物語。産んだ子どもが次々と、まだ衛生状態がよくない頃の中国で病にかかり死んでいくのを、パール・バックの母はどんな気持ちでやりすごしたのだろうかと、読んだ時に思った。私には耐えられないだろうな、とも。

若草物語 (福音館文庫 古典童話)
若草物語 (福音館文庫 古典童話) L.M. オールコット ターシャ チューダー

福音館書店 2004-06-15
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『若草物語』は、言わずと知れた名作である。物語では、牧師の夫は戦地に行っており、母は四人の娘と家を守っている。主役はその娘たちなのだが、彼女らを支える母の存在は大きい。母は奉仕活動に余念がない。ある日貧しい一家に食べ物を持っていく時、三女のベスを伴ったところ、ベスがその家の赤ちゃんがかかった猩紅熱に罹患してしまう。病の後音楽好きなベスのために、隣家の裕福だが気難しい老人がピアノを貸すことから、物語が展開していくことになる。老人やその孫と娘たちの交流は、物語の軸となる。わくわく楽しいエピソードが続くうち、後半になって、元々病弱だったベスがとうとう若い命を落とすことになるところで、最大の山場を迎える。そこは何度読んでも、涙を流さずにはおれないのだった。私はその時母親はどんな気持ちであったろうと、当時大いに同情したものだ。

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)
個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10) 大江 健三郎

新潮社 1981-02-27
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この本は、未だ私が教会に行き始めた頃、青年会の友人に勧められて読んだのだった。なぜかこの『個人的な体験』というタイトルが、やけにこの頃思い起こされる。

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他人を思いやるというのは、本当に難しいことだ。本当に難しい。

【追記】 アートセラピーの活動の紹介です。子どもたちの絵の変化を、本当なら私も見に行きたいのですが…。

こういったボランティア活動への支援は、震災後2年ということで、間もなく終了します。しかし子どもたちに寄り添ったボランティアの人たちは、その活動を止めることはできません。一日も早く苦しい気持ちを吐き出させてあげなくてはいけない子どもは、まだまだ沢山いるはずです。問題は山積みです。

       子どもの絵が語る心の記憶(←ここをクリック)

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