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2013年4月

2013/04/30

小泉八雲

熊本に来てみるまで知らなかったのだが、熊本ゆかりの文化人で有名なのは、夏目漱石と小泉八雲である。→★

そのうちの小泉八雲(1850-1904)は名前は有名だが、私が読んだことがあるのは「耳なし芳一」だけである。ラフカディオ・ハーンはアメリカの通信員として1890年4月に来日。9月から島根県松江に英語教師として赴任。翌年1月に結婚し、その4月から1894年まで熊本の五高で教鞭をとった。小泉八雲として日本に帰化したのは、1896年のことである。

怪談
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今日学校から帰った娘がまたマンガを読んでいるので覗きこんだら、「八雲」というタイトルだった。

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「もういい加減、マンガ借りてくるのやめなさいよ。」「大丈夫、もう読み終わるから。」「それはそうと、その八雲っていうのは、小泉八雲と関係あるの?」「誰それ?コイズミヤクモって。」

というわけで、なんとわが子は小泉八雲を知らなかった。驚いて私が持っていた熊本の記念館が載っているパンフレットを見せたところ、娘が何かに反応して騒いでいる。どうしたのかと思ったら、今読んでいるマンガの主人公も小泉八雲のように左目が特別なんだそうだ。小泉八雲は怪我が原因で、若い頃から左目が見えなかったとのこと。この漫画の主人公は左目が赤い色をしており、特別な能力を備えているらしい。

「心霊探偵八雲」が、名前からしてラフカディオ・ハーンをモデルにしてるに違いない事は連想できたが、八雲の目については今まで何の知識もなかった私。いい機会なので、もう少し八雲の事を調べてみようと思う。

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2013/04/28

秋津川のほとり

息子が保養のため、熊本にやってきた。普段より人数が増えて、小さい公団の部屋には彼の滞在2日目にして紛争が勃発。私は疎まれいたたまれず、車に乗って数時間の家出をした。これから数年後子どもが私を必要としなくなったら、私には何も残らないと思うと悲しくなった。

当てもなく阿蘇方面に車を走らせたが、思い直して引き返し、いつしか私は秋津川のほとりに建つ四時軒に来ていた。そこはあまり熊本では知られていない横井小楠(1809-1869)の旧居である。閉館時刻を過ぎていたため中には入れなかったが、川辺の門前に立つと気持ちが落ち着いていくのが分かった。

それから秋津川のほとりを歩き、西の方角に夕陽が落ちていくのを眺めながら思った。横浜の家のそばにも、このように私が一人になりたい時に訪れる場所があった。悲しい時辛い時に、小高い丘からはるか遠くに富士を眺め、私は心を落ち着けたものだった。でももうその生活には戻れない。

そうして再び小楠の佇まいに思いをむけた。四時軒という名のとおり、四季折々の穏やかな暮らしがここにはあったのだろう。不遇の時期に横井小楠は、どれだけこの風景に慰められたことか。今日も川は静かに流れ、遠くに山を眺めることができた。のどかな農村風景は、大分様変わりしてもまだそこに残っている。新たに心の拠り所を見つけた私は、多分幸せなのだろう。悲しい気持ちは川に流れて、見えなくなってしまったから。

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2013/04/26

日常と非日常

今月初めに、福島の相馬高校放送局が上映した作品の中に、our(un)ordinary があった。私達の(非)日常。

2011年3月11日。体験したことのないような激しい揺れで校舎も一部は壊れ、津波によって家が流された者、家族を失った者があった。マグニチュード9の大地震で、道路は2年たってもガタガタのまま。でもそこに暮らす人たちはいるのである。東日本大震災が起こるまでが日常だとしたら、その後の生活は非日常になってしまったのだけど、相馬高校ではみな今では何事もないように、ガールズライフを送っている。今では不安を口にしにくい雰囲気があるとのこと。上映会についての記事はこちら。→★

思えば、関東にある私の家だって、あの時以来すっかり変わってしまった。あの地震で、どれだけの被害が生まれたことか。目に見えるものは変わらなくても、目に見えないものが壊された。時間がたって元通りになったものは、一体どのくらいあるのだろう。

さて、今日からわが家にはまた、関東の息子がやってくる。今回は10日あまりの滞在である。私は今から掃除と夕飯の支度をし、空港に息子を迎えに行く。爽やかな5月を迎えるこの時期、息子が元気で妹と再会し、保養できるといいなと思う。更に、その生活が日常になるといいと思うわけだが、はてさてそれはどうなることか。今日は奇しくも、チェルノブイリ事故から27年目とのこと。メーデー目前の今日、あの事故は起こったのだった。

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2013/04/24

ミヤマキリシマ

今朝はとても睡眠不足だった。なのに職場に30分早く出なくてはならず、大雨の中車を運転したのが怖かった。あれだけ降ったのに、やがて呆気なく雨はあがった。こんな日には、さぞかし傘の忘れ物が多かったろう。

昼下がり。また空き時間があった私は、珈琲を飲んでひと休みしたくてあの店に行った。丁度店主が珈琲豆を焙煎しているところに出くわし、興味津々で様子を見学。自分が知らないことは、世の中にまだまだ沢山あると思った。

  南阿蘇の春

連休に息子が熊本に来るので、一緒に日帰りで阿蘇の方面に行けたらよいだろうと考えていた私は、マスターに5月の阿蘇の様子を尋ねた。観光客で混雑するから、ランチ目当てで店に行列するより、ピクニックの用意をして自然の中で弁当を楽しむのが一番!と教えてもらった。5月には、ミヤマキリシマが山肌一面に美しく咲くのだそうだ。

十年前に見たミヤマキリシマはそれはそれは美しかったと話を聞いて、それなら私も是非見てみたいと思った。ジャカランダの花を見に宮崎まで旅した母と同じ血が、私の体にもめぐっているのだろう。

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2013/04/23

白樺の木陰での朝食

インフルエンザのときに見舞いにお花を贈ってくださった方に、お礼状を出したらまたカードをいただいた。そのカードの絵が気に入って、デスクに飾っている。それは白樺の木陰での朝食(カール・ラーション)。

なぜかこの穏やかな絵を見ると、私は「長くつ下のピッピ」を思い出し嬉しくなるのだ。小学生だった自分はこの本を読みながら、いいなぁ楽しそうだなぁと思いを巡らせたものだった。あの頃は幸せだった。

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なんと今日になって調べてみると、ラーションはピッピと同じスウェーデンの人ではないか。私がピッピを連想したのには、ちゃんと理由があったのだ。

気に入ったものはもっとゆっくり味わいたいので、今度図書館でラーションの画集を探してみようと思う。

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2013/04/21

逆もどりの天気

昨日、今日は気温が低く、ユーミンの♪まぶしい草野球 の歌詞の中の「逆もどりの天気」にふさわしいと私は思った。この歌の場合は、季節は3月だろうと思うけれど。

まぶしい草野球の歌詞

この間は馬鹿陽気で、半袖に衣替えしてこのまま夏になるの?と思える日が続いたのに、今日はコートはどこ?という感じ。宮城の方は、雪が降っている状況を教えてくださった。本当にどうなっているんだろうな、この天気。

Img_0741 【昨年4月末・横浜の庭】

私は育った家の庭の花が好きだった。又気温が元に戻れば、このような花盛りの庭に母は立つのだろう。庭いじりが好きだった母だが、今は日中1人で暮らしている。こちらに来てくれればいいのだが、なかなか気が向かないようだ。震災後仲間と元気に、リュックを背負って九州に旅行に来た元気はどこへ行ったのだろう。その時の記事はこちら→★

佐藤春夫ではないが、なんとも寂しい春である。

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2013/04/19

春のうららの

今日は娘が上機嫌で、学校から帰ってからずっと歌を歌っている。九州に引っ越してきてから、ずっとこんな調子である。こんなに歌を歌う子だったかしらと不思議でならないが、のびのび毎日たのしそうなので、嬉しく思う。

…春のうららの隅田川…♪

「ねぇ、ママ。この歌の題名知ってる?」

なんとしたことか!問われても咄嗟に答えが出てこない。

「えっと、早春賦だっけ?いやいや違う。隅田川だっけ?」

という私の回答に、娘は大笑い。そのあと答えを教えてもらって納得。そうだ、タイトルは♪だった。

「歌の作曲家は分かる?」

なんとしたことか!また分からない。これは年齢のゆえか、それとも何かで脳がやられたか。嫌だ嫌だ。

「えっと、ヒントは?」

「だから♪箱根八里とか♪荒城の月とか。」

「山田耕筰より前の偉大な作曲家の作品だったことだけ覚えているわ。」

しかしどうしても名前が思い出せない。仕方なく娘に教えてもらった。作者はかの滝廉太郎であった。

滝廉太郎といえば、東京音楽学校(現・東京藝術大学)の出身。私は東京音楽学校の奏楽堂が上野に甦った1987年に、記念のコンサートに行ったことを思い出した。奏楽堂といえば、滝廉太郎。コンサートは随分昔のことだけれども、滝廉太郎の名前を思い出せなかった自分が情けない。その時の本(↓)は、実家にまだ置いてある。折を見てもう一度見てみたい。

 上野奏楽堂物語(東京新聞出版局)

今調べたところ、滝廉太郎が♪を作曲したのは1900年。その翌年ヨーロッパへ留学したが、結核にかかり帰国。大分で療養中の1903年に亡くなった。満23歳だったという。しかし彼の作曲した歌は廃れることなく、2013年の春になお歌い継がれている。文化というのはそういうものなのだろう。素晴らしいことだ。

ということで、今日の私の日記はこれでおしまい。

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2013/04/18

あれよあれよ

◆昨日仕事帰りに、職場で同じ仕事をしている方と一緒に遅めのお昼を食べた。その方は私よりちょっと年上で、職場では半年ほど先輩だ。しとやかなご婦人なのだが、さっぱりして楽しい人だ。私が熊本の名物料理をつつきながら、どうやってこれから子どもを育て終えればいいかと悩んでいたら、朗らかに相談にのってくださった。職場の方と食事するのは、滅多にないこと。

◆先輩は勤務に当たっていない日は、もう七年も老人施設で書道の指導をしていると話してくれた。お年寄りは比べられることを好まないので、気に入った言葉を選んでもらい、1人ずつ全て違った手本を用意するのが大変だとおっしゃっていた。「でも、お年寄りには教えられることがいっぱいなのよ。」と顔を輝かせて話して下さる。「身体が多少きかなくなっていても、気持ちがこもったいい書が出来上がるのが毎回楽しみで、その度に掲示するから、今度見に来てね。」と誘われた。私は書道の話をする先輩の明るい表情に、とても刺激を受けた。

Img_0017 【2012.5・ノアの箱舟】

◆下手でもいい。自分の気持ちを塗り絵でもちぎって貼るのでもいい、もちろん自分で絵を描いてもいい。表現するのは楽しい作業だ。色は心の言葉。これは私が熊本に来て、ノアの箱舟をイメージして作ったもの。和紙をちぎって糊で貼って、4時間で仕上げた。気に入っている作品である。

◆私はどんな歳のどんな人にも、物語があると信じている。それから、物語を言葉や音や形であらわすことは、とても素敵なことだと思う。これからの時代、そういうことがもっと意味あることになっていくと思うので、そういう場を作ることをやってみたい。これが昨日先輩と話したあと、自分がしたいと思ったこと。今日は早速そのために動いてみた。いつも行く店の奥のスペースを借りるとしたら幾らですか?と店で尋ねただけで、「はいはい。予定を入れましょう、今の勤め先の休みの日はいつ?と奥で仕事をしていた女性に声を掛けられた。「日にちを決めましょう。来月はまず実験よ。」とスペースを確保してくださった。こういうのを「あれよあれよ」というのだろうな。アイディアが膨らむ。楽しみだ。

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2013/04/16

クリプトン星人

娘が理科の勉強をしている横で本を読んでいたら、大きな声で「ねぇねぇ、見て見て。」と言う。なにごとかと目の前の理科の教科書を覗き込むと、そこには私が中学時代苦手だったものがあった。 周期表(←ここをクリック) 

彼女が指さす表の右はじにあったのは、クリプトン。そう、クリプトンとは、今わが家で注目のスーパーマンの生まれた星の名前である。我らは発見に興奮し、俄然興味がわいてあれこれ元素について勉強した。

スーパーマンが出てくるアニメはジャスティスリーグ(←ここをクリック)。アメリカのヒーローものである。オープニングの音楽を聞くと勇気が出るので、私は昔から好きだった。戦後日本は、アメリカによって動かされている構造が分かったばかりなのに(→★)、娯楽ではすっかりとりこまれている自分は矛盾していると思う。問題に気付いたからには、食べ物と一緒で本当は気をつけないといけないんだろうと思うけど、何でもかんでもは無理みたい。まぁいいか。

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以前自分が好きだったアニメに、こんなのもあった。これは余談。

SAMURAI JACK

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2013/04/14

あめのち ゆうやけ せんたくかあちゃん

今日は日曜日。礼拝で説かれた聖書は、サウロ(のちのパウロ)の回心のところでした。

 新約聖書 使徒言行録9章1-20節 (日本聖書協会)

目からうろこということわざは、この聖書の箇所からできました。迫害者であったサウロがイエスの声を聞いて視力を失い、それから3日後にアナニアの手で視力を回復したことから、今度はキリストの伝道者になっていくドラマチックな展開です。

******

今日熊本は、午後に大気が不安定になり、バケツをひっくり返したような雨と雷に見舞われました。私は建物内にいたので無事でしたが、雷鳴と雨を避け雨宿りする人を沢山見ました。 これは天候の例ですが、思ってもみないことは実は生活の上でも色々あるものです。目からうろこが落ちるように、今まで信じていたものがあるきっかけで興味がなくなることもあるし、その逆のケースもあるでしょう。パウロの場合は価値観が逆転したわけですから極端ですけれど、小さな価値観の変化なら私にも覚えがあります。

こんな絵本が福音館から届きました。せんたくかあちゃんシリーズの最新作です。「こどものとも」2013年4月号。さて今度は、どんなお話でしょう?

 あめのち ゆうやけ せんたくかあちゃん

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2013/04/12

熊本大学にて

今日は熊本大学に立ち寄った。熊本市に引っ越して一年の私だが、今まで熊大の中を散策する機会は全くなかった。しかし今日は少し時間があったので、向学のため大学のシンボル五高記念館を見学することにした。多分新入生なのだろう。学生が何人か玄関で履物をスリッパに換えて、私より先に建物に入っていった。五高記念館のホームページはこちらから。→★(星の部分をクリック)

五高はナンバースクールの高等中学校の一つとして、1887年5月に設立された。その後身の新制大学が、現在の熊本大学だそうだ。展示室で見た五高の卒業生は、私が殆ど名前を知っている人たち。総理大臣になった池田勇人や佐藤栄作も、なんと五高の出身とのこと。その他にも五高は多くの有名人を輩出しており、中には父の知り合いで私も電話を受けたことがある人が含まれていた。これまで自分は熊本とはあまり縁がないと思っていたのに、これには驚いた。1階の図書室で関連本を見つけ開いてみると、父が解説を書いていた。本文にも何度も父の名が載っていた。これは思わぬ邂逅というべきだろう。

 主な卒業生の紹介(←ここをクリック)

私はキャンパスの雰囲気が好きなので、気持ちのよい新緑の季節に大学構内を歩いたら嬉しくてたまらなくなった。構内には、新入生歓迎の立て看があちこちに見えた。そういう光景に出くわすと、自分は気持ちが青春時代に戻るのだ。あの時代を色に例えると、柔らかいレモンイエローしか思い浮かばない。忘られぬ日々よ♪

 Ya Ya (あの時代を忘れない)の歌詞

【追記】昼は大学生協の学生食堂で、お知り合いにご馳走してもらった。以前の職場の学食でも、昼休みにメニュー選びを楽しみながら食事したのが懐かしい。私は汗をかきながら坦々麺を食べるのが好きだった。因みに本日私が選んだのは、佐賀鶏のフライプレートとご飯Sサイズ(米は北海道・九州産)、フルーツポンチと味噌汁。

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2013/04/11

あそぼうよ

今日は福岡に住んでいる友だちから連絡があった。横浜の中学・高校で仲良しだった彼女は、結婚してからずっと九州で暮らしている。真面目な話も砕けた話もできるので、昔からの友だちの存在は有難い。

今日は彼女が北朝鮮のミサイルの心配をしていたが、新聞を読まずテレビもあまり見ない私が「ありっこないじゃん。」と反応が今一つなので申し訳なかった。私は今は日本の経済の行く末が気になるし、被曝問題が一番の関心事である。向いている方向は違っても、我らは今の日本から脱出したい気持ちは同じ。具体的にどこからどうやってとか、パスポートをとるなら5年でいいかな、などと言い合っているうちに、段々気分がほぐれてきた。

こうなったら私の子どもが修学旅行で不在の時に、2人で大分の湯布院の旅館に泊まろうとか、日帰りで佐賀の鳥栖で落ち合おうとか、実現出来るかどうか分からない計画を立てて楽しかった。気づくとかれこれ1時間以上やりとりしていたようで、話したいことがたまっていたんだなとあとから気づいた。

あそぼうよ (五味太郎の絵本)
あそぼうよ (五味太郎の絵本) 五味 太郎

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上記の『あそぼうよ』という絵本は、子どもたちが小さい頃から親子で大好きだったもの。小鳥がキリンに「あそぼうよ。」と呼びかけると、キリンは澄ました顔で「あそばない。」と答える。その繰り返しが実に面白くて、ラストを迎えてにっこりという内容。今日の場所選びがまさにそんなだったので思い出した。

彼女と会うとなると、2011年末移住先の下見で九州に来た時以来となる。その時は、ペットのわんちゃんとも一緒に遊んだ。懐かしいので是非、初夏に会えるといいと思う。

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2013/04/10

♪ひとりよりふたり

今日の昼下がり、私はNPOの集まりに誘われていた。前の用事が終わってからそれまで間があったので、風に吹かれながら会場近くの喫茶店に立ち寄った。そこは小さいけれど落ち着いたお洒落な空間で、とても美味しい珈琲が飲める。しかも良心的なお値段。心の友が行きつけの店なのと、昨年暮れに紹介してくれた。

店には自然が好きなこだわり店主と、可愛い犬がいる。私は今日はその犬を撫でてとても癒された。先客の70位の男性が、マスターが庭に出ている間犬の可愛がり方を教えてくれた。その人はカメラが趣味で、散歩の途中にいつも珈琲を飲みに来るようだ。プリンセスのようなその犬は、撫でられると気持ちよさそうにひっくり返る。そのあとは私の手をぺろぺろ舐めて動かないので、しばらくずっとしたいようにさせていた。そういうことは久しぶりだった。忘れていた平和な気持ちが甦った。

やがて犬が新しく入ってきた客のところに行ったので、私はカウンターに座り直し、カプチーノを飲みながら壁際の小さな本棚から一冊を手にとってみた。水上勉の本だった。短編ばかりで読みやすそうだし、表紙が春らしい桜の絵だったので気に入った。古本につき100円とのこと。私は何か縁を感じて買うことにした。

醍醐の桜 (新潮文庫)
醍醐の桜 (新潮文庫) 水上 勉

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カウンターに戻ってきたマスターと水上勉について話したり、奥の庭で丁度アウトドア料理の撮影をしていたので見学させてもらったり、店に寄ったことで色々な出会いがあり私は嬉しかった。3時に店のそばで開かれた一人住まいの人々の集まりでも感じたことだが、人間はひとりは寂しいものなのだ。たとえひとり暮らしでも、決まった日に顔を合わせて安否を確認しあえる仲間だったり、ペットであっても心の繋がりを感じられる存在がいるといないとでは、人生の意味が変わる。人はそういう風にできている。多分そういう風に作られたのだ。   

   ♪ひとりよりふたり

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2013/04/08

ハンナの苦悩

今日から新学期が始まりました。この春休みの間、娘は少しリラックスしていたのか、話す内容がいつもと違いました。私は子どもが春休みでも勤務が不規則に入っていたので、毎日一緒に長く過ごせたわけではないのですけれど大事な時間でした。

それはどういう流れで出てきたのか記憶にないのですが、ユダヤ人をどうしてヒットラーは迫害したかと質問されたことがありました。私は理解している範囲で答えましたが、なおも興味がありそうだったので『アンネの日記』を読むのが一番と思い、まずは簡単なこの本を借りて娘に渡しました。彼女はすぐに読んで、とても感銘を受けていました。→★

絵本 アンネ・フランク
絵本 アンネ・フランク ジョゼフィーン プール アンジェラ バレット

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私はちょうど息子にも、フランクルの『夜と霧』をすすめたところでした。

夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録
夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録 V.E.フランクル 霜山 徳爾

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私自身は、なぜか以前読んだ本のことをしきりに思い出しています。それは『マルカの長い旅』という本です。ポーランドで第二次世界大戦下、ユダヤ人狩りが始まり、ハンガリー国境へ逃げる母親ハンナと娘たち。しかし熱を出してしまった下の娘のマルカは、それ以上逃げることができませんでした。この本について書いた2010年の記事はこちら(←ここをクリック)。これは実際にあった話を元に書かれた本だそうです。

マルカの長い旅
マルカの長い旅 ミリヤム・プレスラー 松永 美穂

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私は以前読んだときには、戦争の犠牲になる子どものことが気の毒でたまらなかったのですが、この頃は母親が避難する時期を見誤ったために子どもが犠牲になったと思えて仕方ありません。そのことがこの頃気になるのです。母親のハンナは医師でした。普段からドイツ軍将校と知り合いだったため、自分や家族は迫害の対象にならないと思っていたのです。しかしその当ては外れました。安全に避難する時期を逃しました。ハンナがそのことをどんなに悔やんだかと思うと、私はいたたまれない気持ちになるのです。

歴史は繰り返す、という諺があります。昔から古今東西を問わず、よりよく生きようとしていても過ちを繰り返すのが人間の常なのでしょう。でもこのような悲劇は再び繰り返してほしくないと思うし、この母親のような気持ちを味わうのは、ハンナだけで十分と思ってしまいます。現実はなんと残酷なものなのでしょうか。

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若者の特権

中学生の時朝礼で生徒指導の厳しい先生が、生徒たちの校則違反を嘆いて言っていたことを思い出している。確かこういう内容だった。「若い人がなぜ誤魔化すのか。若い人の特権は潔癖であることなのに。」

私は長年この時の言葉の意味が分からなかった。潔癖であることというのは、どういう意味なのだろうかと。しかしこの土曜日にあったイベントに参加して、初めて私は先生が言おうとしていたことが分かった気がした。それは下記のものである。

  福島県立相馬高校放送局 九州上映会(長崎・水俣・熊本)

熊本大学の石原先生の呼びかけの言葉にあるように「いま震災/原発災害下で起きていること」を発信してくれたのが、この高校生たちであった。相馬高校は2011年3月11日、震度6の地震に見舞われ、生徒の中には大津波によって家を流され家族を失った者もいた。それから2年。地震・津波・原発事故に晒され、今尚相馬に暮らす彼女たちは、放送局に入って音声や映像によって揺れる気持ちを表現してきた。今回はそれに加えて演劇部の上演作品を映像に収めたものも上映された。大変な迫力に、会場にいた者たちは圧倒された。そこで私がこの高校生に感じたのが、「若者の特権」である。若いからこそ自分たちが思うことをそのまま表現できたと思うし、このような上映会が実現したのだ。

会に参加し作品の制作過程や「今伝えたいこと」を聞いて、私の思うところは色々ありすぎてまとまらない。ただ現在日本に突き付けられた課題は、あまりにも大きいとしか言えない。

これは私が最近見つけた日本地図。興味のある方は是非、実物を手に入れてご覧になっていただきたいと思う。

  地球子ども新聞 133号

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2013/04/05

南阿蘇にて

昨日の午後、今朝と2日にわたり、福島から春休みを利用して熊本を訪れたご家族の保養キャンプのお手伝いに行きました。

昨日は阿蘇いちご園・木野内農園でいちご狩りを楽しんだお母さんと子どもたちと、駐車場で午後3時に合流しました。外遊びを思ったようにしたことのない5歳の男の子は、イチゴ狩りで初めてズボンを泥で汚したそうです。水たまりにはまって靴がドロドロになったのも初めてだそうでした。

泊先のバンガローでゆっくりお母さんたちが荷物の整理をしたり寛いでいる間、私は子どもたちと遊びました。竹林のそばに落ちていた折れた竹を振り回して、戦いごっこをしたり、みんなで走って行ったり、子どもたちはのびのびと元気いっぱい。「保養キャンプのスタッフの人手が足りない。」と私に声をかけてくれた友人は「せっかく熊本に来たのに野菜と果物をあんまり食べてないのよ。」というお母さんたちのリクエストに応え、近くまで買い物に行きました。彼女が戻るのと入れ違いに、ご家族たちは近くの温泉施設に出かけました。~友だちは熊本の山菜のてんぷらを食べてもらおうと料理したのですが、彼女いわく、熊本の小麦粉はさらっと仕上がらないそうです。私は貴重な野菜のかき揚げを1枚試食してしまいましたが、成功したのはあと2つだったので、勿体ないことをしてしまいました。私は美味しそうな肉を焼き、野菜炒めをしました。スタッフが用意してくれた焼き肉のたれは、かなり美味しそうでした。お土産に持っていった天草のあか巻めんべいいきなりだんごが喜ばれました。

昨夜は夕飯を食べてもらって、早めに帰りました。建物の外に出て見上げる夜空には、星が降るほど輝いていました。熊本市内では、そんな星空に出会ったことはありません。心洗われた瞬間でした。私の最近のくさくさした気分も飛んでいきました。

    南阿蘇村←ここをクリック

今朝は7時に家を出た仲間が迎えに来てくれたので、7時半過ぎに車に乗せてもらって阿蘇に出発しました。1時間ほどでバンガローに到着したら、皆さんはこれから空港に向かうところでした。移動続きの5泊だったので、大分お疲れのようでしたが、また来てね!と走り去る車を見送りながら手を振ると、見えなくなるまでずっと手を振り返してくれたのが印象的でした。

南阿蘇は今日も小鳥がさえずり、菜の花や木の花が咲き乱れ、鯉のぼりが泳ぐ、晴れてとても気持ちのいい春でした。

 

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2013/04/02

♪遠くへ行きたい

先日イースターの日に、教会の籍をこちらに移したので、記念に教会からこの本をいただいた。

希望のみなもと―わたしを支えた聖書のことば
希望のみなもと―わたしを支えた聖書のことば 船本 弘毅

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そして本の見開きに、牧師から聖書の言葉をいただいた。

    主に望みをおく人は新たな力を得

    鷲のように翼を張って上る

    走っても弱ることなく 

    歩いても疲れない  (旧約聖書・イザヤ書40:31)

その日の朝準備会で、また涙が出て止まらなくなった。イエス・キリストの十字架のあとの復活を信じているからこそ、絶望の淵にあっても私は立ちあがれるのだ。そういいながら、やはり辛いのである。辛い気持ちのやり場がないのである。

別に悪いことばかりが起こっているわけではないのだが、悲しい気持ちを消すことがなかなかできない。

どこかもっと遠くの誰も知らない町に旅したい。遠くへ行きたい

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にんじんケーキ

昨日は春休みの宿題を一緒にするということで、娘の友だちが午後にやってきました。私はこういう時ぐらいは、と思いケーキを焼きました。にんじんケーキといえば、この絵本。結婚するカップルへの贈り物にはいいですよね。

にんじんケーキ (児童図書館・絵本の部屋)
にんじんケーキ (児童図書館・絵本の部屋) ナニー ホグローギアン Nonny Hogrogian

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家にニンジンとデコポン(無農薬の小さいのですが)があったので、にんじんケーキを思いついたのですが、熊本の小麦粉と卵、ニュージーランドのベーキングパウダーとバターを使って手早く準備!人参をおろすのは、私の宝物のフードプロセッサーを使いました。レシピは以下の本から。

1つのボウルでできるお菓子―型も1つで全部できます
1つのボウルでできるお菓子―型も1つで全部できます 大原 照子

文化出版局 1993-09
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エンゼル型を使いオーブンで焼けば、均等に焼けるし見た目も可愛くばっちりなのですが、この団地に備え付けのオーブンはありません。うちの電子レンジも最近はコンセントを抜いたまま。ということで、この本の通りにはいきません。工夫が必要です。

私は適当に画用紙を切って繋いで丸いケーキ型を作り、大きなフライパンに置きました。そこに切り目を入れたクッキングシートをきっちりはめ込み生地を流し込み、弱火で焼きました。娘に火加減を頼んだら弱火と中火の間ぐらいだったので、底が焦げたのが残念でした。次からは超トロ火がよさそうです。

   ◆   ◆   ◆   ◆   ◆

私は出勤前だったので、しっかり子どもたちと同じだけ2切れ食べました。爽やかで美味しく、楽しい気分で仕事に行けました。

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