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2013/06/01

よかったねネッドくん

丁度息子が小学校に上がった年、私は学校図書室のボランティアを引き受けた。それが人生の楽しみだった。当時は娘がまだ幼稚園に上がる前だったので、ボランティアの時間は娘を近所の友に預かってもらって小学校に行った。絵本を小学生に読んだりするほか、司書教諭の指導を受けて本の修理をしたり、選ぶ本について仲間と勉強したりした。

よかったねネッドくん
よかったねネッドくん レミー チャーリップ Remy Charlip

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当時暮らしていた都市は、昔話を伝える文化がしっかりあって、図書室の司書教諭はそういったことに造詣の深い尊敬できる人だった。私はそこで、色々な勉強をさせてもらった。小学校1~2年生向けに読む絵本のリストづくりをしたのもその頃のこと。悩みながら考えるのも楽しい作業だったのだが、選んだ本の一冊がこの『よかったねネッドくん』である。~誕生日の招待状がニューヨークに住んでいるネッドくんに届くところから始まるこの絵本。様々な冒険を経て、彼はとうとう自分の誕生パーティ会場にたどり着く!運のいいこと悪いことが、カラーとモノクロの絵で交互に紹介されていく展開は、人生そのもの。「今度はよかった!」「今度は大変!」の繰り返しが実にユーモラス。この絵本は、私の子どもたちその頃から大好きだったもの。あらすじ紹介はこちら→★

あの頃赤ちゃんだった娘は、今はもう中学2年になって、私と九州で暮らしている。中学の部活の先輩や同学年の人達が、サプライズで自分の誕生日プレゼントを用意していることを察し、この頃は嬉しいけれども困っているようだ。横浜に住んでいる兄に夜遅く電話で、何やら相談している。サプライズに自分が気付いたとみんなが知ったらがっかりするから、知らんぷりをするのが難しいのだそうだ。大事なことになるとお兄ちゃんに相談するとは、大人びてきたものの幼さの残る娘である。相談にのっている息子も、優しいなぁと思う。二人の様子のなんと微笑ましいことか。

さて、娘の誕生日は6月はじめ。その時が来ても、娘はネッドくんのようにはびっくりしないだろうけれど、きっと「よかった!」と喜ぶ瞬間が来るのだろうな。楽しみ、楽しみ。

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