こちら側とあちら側
今日は七夕。夜になって空を見上げたら、星がいくつも見えた。飾りを作って星に願いごとをするのをうっかり忘れていたけど、今なら私は短冊に「大好きな人たちとまた逢えますように」と書くだろう。あぁ、2年前に福島で原発が爆発して、いいことなんて一つもなかった。あんなこと悪い夢だと信じたいが、現実は現実だ。非常に厳しい事態である。
私は1年前に引っ越しをして、関東から九州にやってきた。しかし、それまで仲良くしてもらった人たちと離れたくなかった。今はインターネットが普及しているので、知り合いと世界の裏側でさえも瞬時に交信は可能だけれど、距離ができるというのは寂しいこと。家族と離れるなんて、想像すらできなかったことである。
今日息子は髪を切りにいったらしい。近頃の様子は見ることができない。横浜は暑くてたまらないと電話で話していた。311の前と後。住んでいた横浜とここ九州。その間には大きな天の川が流れていて、滅多に行ったり来たりできないのだ。
このように、大事な人たちと特別な努力をしないと会えなくなってしまったことが心底悔しい。本当に、原発が爆発していいことなんて一つもなかった。こんなに苦しい思いをするなんて。福島があんなことになって今尚苦しい思いをしている人が沢山いるというのに、電力会社は特別な対策を講じないまま原発の再稼働を申請するなんてこと言い出している。これは本当に望ましくないことだと私は思う。~こちら側とあちら側~。人間の価値観の違いの如何に大きなことよ。私たちはいったい、何によって分断されたのだろう。目には見えない価値観の溝が、こちらとあちらの間に横たわる。その正体は何だろうか。それを作りだしたのは誰なのか。これはおとぎ話ではないのだから、よくよく考えてみなくてはいけない。
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