考え続けること
昨日の夜、京都の福知山で開催されようとしていた花火大会で、屋台のガスボンベ爆発事故があった。60人もの人が病院に運ばれたが、5人は重体とのこと。もちろん花火大会は中止になった。一方長野県の諏訪湖でも、豪雨のため花火大会が中止になり、多くの客が帰宅困難になったとのこと。上諏訪駅などは東京の原宿状態。まさかこんなことになるなんて。先月の東京・隅田川花火大会中止も、記憶に新しい。日本の夏の風物詩を味わおうとした庶民の願いは、思いがけぬことで残念ながら破られた。
このように、この夏日本は想定外の災害や事故を、これでもかこれでもかと経験している。まるで国民が試されているかのようだ。またかとなってくると人々の危機意識は薄れる。これでは受難の度に嘆くこと、悲しむこと、備えることに鈍感になりかねない。
奇しくも昨日は終戦記念日であった。第二次世界対戦で日本が敗けてから、68年。戦争は人を狂わせるから恐ろしい。あんな悲劇を繰り返してはならない。しかし現首相は、改憲こそ自分の歴史的使命と宣う人だ。なにが美しい国だよと思う。あれだけの犠牲を内外に出し、二度と戦争はしないと誓ったからこそ憲法に戦争放棄が謳われたのだと私は思って育った。敗戦からたかだか70年も経たぬのに、戦争をしたくて仕方がない政党が与党になった日本。
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そういえば、昨日の朝放送された番組を見た。NHK杯全国高校放送コンテスト・テレビドキュメント部門の作品紹介番組である。放送部の高校生たちの日頃の様子が分かる楽しい内容が多かったが、静岡の高校の、地震予知について地域住民900人の声を集めた上で専門家にインタビューし考える内容のものはレベルが高かった。また、この春九州を訪れた際出会った福島県立相馬高校生の新作が、部門優勝したのは嬉しかった。東日本大震災直後、卒業した中学の制服のまま入学式に集まった新入生たち。校歌の練習を数日したあと、応援団長がみんなに話した言葉!一人一人の葛藤があるままスタートした、一見普通に見える高校生活。問題を見つめながら記録を続ける放送部。そして、心の叫びを訴える演劇部との出会い。やがて舞台は東京へ。最後は九州への旅。長崎・水俣で見たもの、聞いたものは、更に彼女たちに響いたようだった。圧巻は、上映会後のインタビューに答えた高校生の言葉。私は未来を作るのはこういう若者たちだと思った。震災からの2年をまとめたこの作品は、多くのことを教えてくれたと思う。
私はこの機会に、福島県立相馬高校放送局の受賞作品「相馬高校から未来へ」が全国放送で流れた意味は大きいと思う。作品に込められたメッセージを受け取ろう。我々は、福島を考えることを忘れてはいけない。今も、これからもずっと。(※8月17日加筆)
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