新しい春
3月初め息子の高校卒業式があり、1年ぶりの上京をしました。制服を着た息子を見るのは久しぶりすぎて、とても新鮮でした。震災のあった春に高校に入学した息子ですが、間もなく学習する場所を学校以外の2か所に切り替えたからです。
2011年度の終わりに、私と下の子は九州移住を果たしました。上の子は引越に同意せず、私の実家の離れで一人暮らしすることになりました。私たち家族にとって東日本大震災は、一緒に住むことをあきらめざるを得ない事態を招いた大きな出来事でありました。原発事故が地震によって起きたからです。多くの人がそれまでの生活形態にこだわり続けている中、人生のシナリオをリセットし何のあてもない土地に動くことには、大きな決断が必要でした。でもそれまで、「自分の人生の責任は他の誰もとってくれないし、とろうと思ってもできない」「子どもの将来の責任は親にある」ことを困難の度に思い知らされてきた私には、不安なまま関東に住み続けることはできませんでした。
2年たった今でも熊本の人に、どうして引越先に熊本を選んだのかよく尋ねられます。その頃のことは記憶があいまいになっていることも沢山あるので、この日記や他に書いたものなどを寄せ集めると心の変化がよくわかると思うのですが、感覚的に「ある時ふとそう思った」というのが正しいような気がしています。クリスチャンである私はそれを「聖霊のお導き」と考えています。
来てみて気付いたこの場所と自分との繋がりは、いくつもいくつもあります。ただの偶然かも知れないけれど、思いがけない発見が続くと、なんだかここに来るべく生まれたのかな私は!というような不思議な思いにとらわれます。お陰さまで、下の子は熊本ライフを思う存分楽しんでいます。母親である私も、日々食材選びに困らずに済んでいます。不安だった2011年のことが思い出せないほどです。仕事選びやなにかで苦労が多くても、食べることを大切に子育てしてきた私には、満足なことが多いです。好奇心いっぱいな性格だったことが、この生活を楽しめていることに繋がっているような気もします。
SEASONS COLOURS-春夏撰曲集-
松任谷由実 荒井由実
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この春、また子どもたち二人と私三人の生活が始まりました。来週には3LDKに引越です。熊本城の桜を、今年は三人で見られそうです。
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