祈りだけでなく
昨年11月に長崎を訪れた折原爆資料館を案内してくださった、語り部の城臺美弥子さんが、69回目の長崎平和祈念式典で被爆者代表のスピーチをした。→城臺美弥子さんのスピーチ
「これは命の問題ですから」、「内部被ばくがあるからよくよく気を付けて」と、福島に住むひとたちと一緒に爆心地を回った私にも、城臺さんは語ってくださった。自分たちの世代が経験した悲劇を無駄にしたくないという言葉には、とても重みがあった。
紹介した記事にもある通り、城臺さんは7月に安倍晋三政権が閣議決定した集団的自衛権の行使容認を「日本国憲法を踏みにじる暴挙」と批判し「被爆者の苦しみを忘れ、なかったことにしないでください」と訴えた。 1945年原爆投下当時6歳だった城臺さんや、成人後もうけたお子さんには異常はなかったが、孫の代に障がいや突然死があったそうだ。そのとき城臺さんは、どんなに悔しかっただろう、悲しかっただろう。
2011年3月11日の東日本大震災によって起こった東京電力福島第一原子力発電所事故の被災者の現状にも、城臺さんの言葉は及んだ。ノーモアナガサキ。祈りだけでなく行動を。長崎から目と鼻の先の鹿児島では、川内原発が再稼働に向け着々と準備をすすめている。福島にはもう大丈夫だからと。避難先から人がどんどん戻されている。果たして大丈夫なのか。長崎で爆発後に人々を苦しめた放射能の被害は、福島ではないことにされてはいないか。
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