やすらぎの朝
台風がいってから、朝晩はめっきり涼しくなった。私の好きな夏があっという間に終わり、そのスピードに驚いているところである。
振り返ると、春先から極度のストレスが続き大変だった。その問題がやっと解決しかけた6月から、今度は娘の悩みごとをまるごと受け止め支えねばならなかった。ひどい頭痛に悩まされながら、少しずつ話を聞かせてくれる我が子から「ママがいてくれてよかった 」と言われれば嬉しかったが、付き合いすぎてもうふらふら。やがて夏休みにはいるのと前後して頭痛が消え、朗らかに友達と出掛けるようになってくれたので助かった。少しずつだが事態はよい方へいっている。一方息子は、通っている農園での生活を充実させるため、農園のある町に今日一人で引っ越す。その部屋の準備で、私はここのところ気忙しい日々だった。
くたびれて疲れた私にも、手当が必要なのは分かっていた。そういえばアロママッサージをしている友のところへも、随分長いこと行っていない。しかし先日声をかけてもらって参加した山の学校の合宿キャンプで、近県の同志と語らう時間を持ったときから、私にも変化が訪れた。合宿中ヨーガを習った時、内臓の温度がゆっくり上昇するのを感じた。内側から温まる感覚は心地よく、体だけでなく気持ちも安定した。時を同じくして、私の心の奥底にあった哀しみが溶け始めたようである。いつのまにか私は、やすらぎの泉のほとりに立っている。
これは神の恵みに違いない。希望は絶望に終わることはない。息子は荷物をまとめて出ていった。私も娘と、息子の新生活の手伝いのためこれから出掛ける。はじまりの朝。やすらぎの朝。
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