昭和13年
純情きらりで面白いのは、時代を映す衣装や小道具である。時は、昭和13年。舞台は、私の母が小学校に上がった年の、東京だ。
マロニエ荘に住む人々の日常が、垣間見られる。一体この人たちは、洗濯はどうやってしていたのだろう。今日桜子の祖父が上京し、このアパートをたずねてきたとき、部屋に干してあった洗濯物をひっつかんで取っ組み合いをしていた。あの洗濯物は、男物の下着だったようだけど、さて、このような共同住宅の場合、女性の下着などは、一体どこに干したのだろうか?台所のふきんなどをぶら下げる道具は、もちろんプラスチック製ではなく、竹のわっぱをぶらさげてそこに洗濯ばさみで小物を吊り下げるようになっていた。面白いな。
衣装さんが古着屋で買い集めたという、当時の女性の洋服なども、洗濯はどうしていたのかな、と思う。韓国ドラマで、貧しいヒロインが屋上で手洗いして洗濯物を干すシーンを見たことがあるが、そういう風にジャブジャブ手洗いして、それから絞って干して、アイロンをあてたのかなあ。独り暮らしだと、さぞ大変だったろうな、と思う。
街角の、ゴミ箱を見て、母がしきりに懐かしがる。「ああいうのが、本当に道端にあったのよ。」と。
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