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2008年4月30日 (水)

山本文緒『恋愛中毒』

何冊かここのところ山本文緒を読んだが、この本は私としては他の本とはワケが違う、凄みを感じた。あまりの面白さに、最後まで一気に読み進んでしまった。

恋愛中毒』

主人公・水無月に自分を重ね合わせて読む人もいるだろうし、こんな女にひっかかったら怖いな~と一歩ひきながら読む人もいるだろう。私は、わかるな~こういう人いるな~と思いながら読んだ。

とにかく、思いは純粋。だけれど歪んでいる。人格に障碍があるような、その原因が生育歴にあるような感じ。私は専門家ではないからわからないけど、知性があっても理性があっても、心はコントロールできない人が実はこの世には溢れているとおもう。そういう人とは少し距離を置くことが一番うまい付き合いかたなんだろうけど、ちょっと危険な人は首から「要注意」という札を掛けてくれているわけじゃないし自覚もない場合があるからまずい。

苦しいのは当人だけでない。巻き込まれた人たちは、犯罪でもないかぎりは警察もたすけてくれないし、どうやって解決していくのかな、こういうトラブル。

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